研究課題/領域番号 |
19K09703
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
山口 雅之 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (90450577)
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研究分担者 |
古城 公佑 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30828158)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 精細管 / MRI / 非閉塞性無精子症 / がんサバイバー / 抗がん剤 |
研究実績の概要 |
小児・AYAがん患者は、抗がん剤や放射線治療開始前の精子凍結保存が難しく、完治して大人になって初めて不妊と判る例が大変多い。こうした例では、顕微鏡下精巣内精子回収手術(MD-TESE)と顕微授精が唯一の治療法で、現在、治療成功率は改善の余地を残している。 本研究では、治療成績を向上を目指し、MRIを利用して精細管の状態を調べ、治療成功の見込みのあるなしの判定や術中ナビゲーションに活用する世界初の技術開発を目指している。 当該年度は、非閉塞性無精子症の動物モデルを作出し、9.4テスラ超高磁場MRI装置を利用し、精巣のMRI計測を実施した。精子産生能が高い精細管と低い精細管を、精細管の断面像から判定することを試みた。また、MRI計測後、精細管を組織学的に解析した。 9.4テスラMRI上、精細管の管壁と管腔が良好に描出された。非閉塞性無精子症動物モデルと、対照動物とを比較し、精細管の形態的な差はわずかであった。また、モデル動物において、精細管障害の程度が予想以上に軽度であることや、障害の個体間誤差が大きいことが、組織学的検討にて明らかとなった。 今後、非閉塞性動物モデルの作出技術を再検討したうえで、中程度から高度の精細管障害が生じ、かつ個体間誤差が小さい、実験モデル動物を対象に、再度MRI計測を実施する予定である。それと同時に、精細管の形態変化に対するMRIの検出能について検討を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
非閉塞性無精子症動物モデル作出技術に改善の余地があり、モデル作出の試行錯誤に、時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
非閉塞性動物モデルの作出技術を再検討し、中程度から高度の精細管障害が生じ、かつ個体間誤差が小さい、実験モデル動物の作出を試みる。精細管の形態変化に対するMRIの検出能について検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の動物実験数実績が、予定数を下回ったため。次年度以降に、必要な動物実験に使用する。
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