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2019 年度 実施状況報告書

前立腺癌におけるアンドロゲン非依存性増殖の新規分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09716
研究機関横浜市立大学

研究代表者

石黒 由香利  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 特任助教 (00423830)

研究分担者 石黒 斉  地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所, 光触媒グループ, 研究員(任期有) (00381666)
上村 博司  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (50244439)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード前立腺癌 / miRNA / 去勢抵抗性前立腺癌
研究実績の概要

我々はnon-coding RNAの1つであるmicroRNA (miRNA)の発現調節機能に着目し、新規分子標的治療法やバイオマーカーの確立を目指して、前立腺癌における機能性miRNAの探索と、それらによる癌の進展機序の解明を行ってきた。これまでに、前立腺癌の再発に関与する新規バイオマーカーとしてmiR-30dを同定し、前立腺癌の増殖、浸潤との深い関わりを明らかにしてきた。
本研究では、去勢抵抗性前立腺癌(Castration Resistant Prostate Cancer;CRPC)におけるmiRNAの機能に着目し、前立腺癌がアンドロゲン非依存性増殖となる過程でmiRNAが作用する分子機構の検討を行った。
前立腺癌細胞株であるLNCaPおよび22Rv1をアンドロゲン除去環境下において培養し、継時的にたんぱく質およびRNAを抽出した。RNAからcDNAを合成し、我々がこれまでに同定したmiR-29b、miR-30a、miR-30dの発現量を検討した。その結果、正常血清含有環境下で培養した細胞株に比べ、アンドロゲン除去環境下におけるmiRNAの発現量が亢進し、その発現量は継時的に増加していることが判明した。また、抽出したたんぱく質を用いてウェスタンブロッティング法にて検討したところ、正常血清含有環境下で培養した細胞株に比べ、アンドロゲン除去環境下におけるARおよびPSAの発現が亢進していた。以上の結果から、前立腺癌の増殖・進展にはこれらのmiRNAが関与しており、予後予測因子としての可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究において、CRPCにおけるアンドロゲン非依存性増殖に関わるmiRNAを同定し、その機能について詳しく解析してきた。その結果、CRPCにおいて同定したmiRNAがARやPSAの発現を増加させることを新たに見出すことができたため、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

これまで前立腺癌がアンドロゲン非依存性増殖となる過程を検討するために、前立腺癌細胞株をアンドロゲン除去環境下において培養し研究を行ってきた。今後は当科で樹立した去勢抵抗性前立腺癌モデル細胞株を用いて検討を行い、同定したmiRNAの増殖への関与を検討する。さらに臨床検体における検討を行い、マウスを用いたin vivoの検討も行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

これまでの我々の検討や様々なデータベース上で公開されている発現情報をもとに、候補分子を絞り込むことができたため、本年度検討を行ったmiRNAおよびタンパク質の発現解析においては、相当数の候補分子の解析を行うために必要であったプライマーや抗体の購入費用を抑えることができた。
次年度は候補miRNAの発現抑制および過剰発現の検討を行う予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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