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2021 年度 実績報告書

遺伝性ならびに稀少発症の腎癌の腫瘍化機構解明と診断マーカー・治療標的の探索研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09717
研究機関横浜市立大学

研究代表者

矢尾 正祐  横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (00260787)

研究分担者 中井川 昇  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00237207)
古屋 充子  横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10361445)
蓮見 壽史  横浜市立大学, 医学部, 助教 (40749876)
近藤 慶一  横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (80363836)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード腎癌 / 遺伝性 / 稀少発症 / 診断マーカー / 治療標的 / 単一細胞トランスクリプトーム解析
研究実績の概要

1)非常に稀で、予後不良な遺伝性平滑筋腫症・腎細胞癌症候群(HLRCC)関連腎癌の本邦例10例を集積し、臨床病理学的特徴を明らかにした。免疫組織化学で、B7ファミリーのPD-L1(B7-H1)は11/12で陽性、CD80(B7-1)は12/12で陰性、B7-H3は11/12で陽性であった。免疫チェックポイント阻害剤(ICI)治療が5例で行われ2例は良好な反応を示しており、B7ファミリーの免疫染色所見を反映するような結果であった。HLRCC関連腎癌では、ICIが有用な可能性が示唆された。
2)HLRCC関連腎癌の2症例を新たに自験例として経験した。このうちの1例は腎単発の原発巣に対して根治切除が行われたが、1カ月後に再発し、病理学的診断はFH欠損RCCであり、遺伝学的検査により、FHのヘテロ接合性生殖細胞変異(c.641_642delTA)が同定され確定診断に至った。そこで先行する、1)の結果に基づいて、ICIであるニボルマブ+イピリムマブ併用療法を実施した所、7か月後に完全奏功を得ることができたので、論文にまとめ症例報告を行った。
3)遺伝性腎癌の手術検体6サンプル(HLRCC 関連腎癌、BHD 関連腎癌、VHL 関連腎癌)を含む計12 サンプル、合計108362 細胞について、単一細胞トランスクリプトーム解析を実施し、遺伝性腎癌における癌細胞の特性、腫瘍内不均一性および癌微小環境、新規治療標的候補分子について探索を行った。各遺伝性腎癌はその腫瘍細胞ごとに異なる正常ネフロン細胞の特性を残しており、各腫瘍細胞の起源細胞が特定できた。遺伝性腎癌の組織微小環境については、それぞれの原因遺伝子毎に大きく異なることが明らかとなった。また腫瘍細胞特異的に発現する遺伝子の抽出とバルクでのトランスクリプト―ム解析、免疫組織染色の追加により、BHD 関連腎癌の治療標的候補分子を確認した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 遺伝性平滑筋腫症腎細胞癌(hereditary leiomyomatosis and renal cell cancer; HLRCC)2021

    • 著者名/発表者名
      古屋 充子、蓮見 壽史、矢尾 正祐
    • 雑誌名

      遺伝性腫瘍

      巻: 21 ページ: 1~6

    • DOI

      10.18976/jsht.21.1_1

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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