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2020 年度 実施状況報告書

生体内ダイレクト・リプログラミングによる膀胱平滑筋の再生

研究課題

研究課題/領域番号 19K09719
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

松原 弘樹  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00530362)

研究分担者 松田 修  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00271164)
岸田 綱郎  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
浮村 理  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70275220)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード膀胱平滑筋 / direct reprogramming / ダイレクトリプログラミング / 膀胱線維化 / 再生医療
研究実績の概要

膀胱線維化(Bladder fibrosis)は神経の異常によって膀胱の収縮が慢性的に妨げられた状態が続くと起こる不可逆的な病態である。平滑筋細胞の萎縮や喪失、 膀胱間質内の線維芽細胞から分泌される細胞外マトリックスの過剰な沈着により、膀胱収縮能と膀胱容量が低下し、頻尿や残尿増加をきたしうる病態であり、治療法は確立されていない。我々は最近、MYOCD遺伝子を導入すると、ヒトのfibroblasts(線維芽細胞)を平滑筋細胞に変えられる(ダイレクト・リプログラミング)ことを見出した。本研究ではこの技術を、bladder fibrosisに対する新しい再生医療の樹立につなげるための基礎実験を行う。
今年度は膀胱線維化モデルマウスについて検討を行った。膀胱を一部凍結した膀胱凍結モデルを作成し、対照群と比較して線維化マーカーが上昇していることを確認できた。また膀胱凍結モデルマウスは排尿回数が増加し1回排尿量が減少しており、排尿症状の増悪を認めた。また摘出膀胱は病理学的にも凍結部分で筋層が著明に萎縮しており、モデルとして適していることを確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膀胱線維化モデルマウスに関しては当初の計画通り作成できたが、Ex vivo法(線維芽細胞に体外でMYOCD遺伝子を導入し、モデルマウスに移植する方法)については現在実験進行中であり、結果の評価には時間を要すると考えられる。In vivo法については低侵襲に効率よくウイルスベクターを膀胱壁に導入する方法を模索中である。

今後の研究の推進方策

凍結した膀胱壁の線維芽細胞に効率よく導入できるウイルスベクターの種類(レトロウイルスベクターだけでなく、レンチウイルスやセンダイウイルスベクターなども検討する)、及び導入方法(針刺入の深さや角度のみならず、針による注入以外の方法も模索する)について検討する。膀胱平滑筋の遺伝子発現のプロファイリングを行うために、マウスの膀胱平滑筋細胞の初代培養方法について検討する。純度の高い平滑筋細胞をとるためにFACSなどにてソーティングを行う。初代培養が可能となれば、MYOCD遺伝子を導入した誘導平滑筋細胞からRNAを採取して、次世代シークエンス解析を行い、正常膀胱平滑筋細胞と比較を行う。 誘導平滑筋細胞を、膀胱線維化モデルマウスの膀胱へ移植する。そのマウスの排尿行動を解析し、膀胱機能を評価する。移植後経時的に膀胱を摘出し、免疫組織化学染色やreal-time RT-PCRで移植細胞の生着と誘導効率を検証する。

次年度使用額が生じた理由

[次年度使用額が生じた理由]
研究の進行状況に応じて必要となる機器に係る使用額が、当初の計画に比べ少額で済んだため。
[翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画]
申請時の使用計画に従い、実験用試薬・消耗品に使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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