研究課題
腎細胞がんに対する免疫治療の発展を目的として、炎症と抗腫瘍免疫の関連メカニズムを解明するため、以下の研究を行った。1)炎症マーカーの腎細胞がんにおけるバイオマーカーとしての意義の解明免疫チェックポイント阻害剤療法において、炎症マーカーであるC反応性蛋白(CRP)の推移は治療効果と予後と関連し、炎症マーカーは免疫バイオマーカーととしての意義も有することを報告している。本年度は、国際、国内共同研究によりそれぞれ大規模データベースを構築し、CRPが腎細胞がんの重要な予後因子となることを明らかとした。米国との国際共同研究にて、様々な状況においてCRPは腎細胞癌の有用な予後因子となることを報告している。さらに腎細胞がんにおいても術後補助療法の有用性が示され、周術期のリスク評価が重要となっているが、CRPは術後のステージアップ、および術後再発のリスク評価に有用であることを見出した。2)腫瘍微小環境での、炎症により抗腫瘍免疫抑制が誘導されるモデルの作成ヒトマクロファージ様細胞株 (U937)で、M1マクロファージへの分化を誘導したのちにヒト淡明型腎細胞がん由来細胞株(Caki-1)培養上清で刺激し、M2マクロファージへの分化誘導されている傾向を確認した。さらに、腎細胞がん摘出標本にて、血清CRP値が上昇している例では、腫瘍局所での炎症/免疫担当細胞浸潤が強いことを見出した。これらの結果は、全身性の炎症反応は腫瘍局所での炎症/免疫状態浸潤と相関し、さらに腎細胞がん微小環境でがん細胞からの刺激により抗腫瘍免疫が抑制されることを示し、炎症により抗腫瘍免疫抑制が誘導される機序を示していると考えられる。
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すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)