研究課題
腎癌などの悪性腫瘍の病態生理に鉄代謝や鉄動態の関与が指摘されており、癌腫によっては、鉄動態と腫瘍の悪性度の関連性が指摘されている。特に腎癌では鉄動態と臨床学的悪性度や生命予後との関連性が示されているが、その分子生物学的機序は不明である。一方、鉄に依存する関連死(鉄関連細胞死=フェロトーシス)の癌細胞での役割が注目されつつある。しかし腎癌における病理学的あるいは分子生物学的役割への関与について解明されていない。そこで腎癌におけるフェロトーシスの分子生物学的意義の解明と、その研究結果をもとに、腎癌への治療薬開発の可能性について検討した。実際に計画した研究手法は以下である。①各種腎癌細胞株におけるフェロトーシスを生じる分子生物学的特徴とフェロトーシスに関与する分子の同定を行う。②各種動物モデルを用いてフェロトーシスに関与する生物学的特徴の検討と動物モデルにおける病理学的特徴と関連因子の同定を行う。③腎癌患者の腎癌組織におけるフェロトーシス関連因子の臨床病理学的特徴およびフェロトーシス関連分子の機能解明を検討する。④現在腎癌治療薬として臨床応用されている分子標的薬あるいは免疫チェックポイント阻害剤の治療効果に対するフェロトーシスの関与について検討する。⑤フェロトーシスの動物実験モデルおよび腎癌組織の研究結果を総括し、フェロトーシス関連因子を用いた予後予測因子の検討および新規治療法の開発を検討する。上記研究計画をもとに、上記フェロトーシス関連研究を行うにあたって、腎癌の病勢と鉄動態の関与を研究に関連して、慢性炎症とその抑制因子に関する研究を追加して行った。腎癌において代表的薬物治療法である分子標的療法の治療効果がロイヤルゼリーの投与により、炎症性サイトカインが低下していることがわかった。腎癌薬物療法の治療効果に慢性炎症に関与が示されている鉄代謝の関与が示唆される結果であった。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Trials
巻: 22 ページ: 950
10.1186/s13063-021-05926-x