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2021 年度 実施状況報告書

移植腎長期生着へ向けた慢性移植腎症非免疫学的メカニズムの解明と予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K09738
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

森田 伸也  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (10365364)

研究分担者 篠田 和伸  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60348737)
環 聡  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (20626741)
吉田 理  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (00306713)
高橋 遼平  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90815367)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードシクロスポリン腎症 / NF-κB / DHMEQ / 慢性移植腎症
研究実績の概要

ラットの慢性シクロスポリン(CsA)腎症モデルおよび、選択的NF-κB阻害剤であるDHMEQ(dehydroxymethylepoxyquinomicin)を投与したモデルを作成した。
DHMEQは、CsA投与による腎皮質組織でのNF-κB活性化および核内移行を有意に妨げた。腎機能は、Control群よりCsA群で有意に増悪し、CsA+DHMEQ群でCsA群より有意に改善した。一方、尿中蛋白は、Control群よりCsA群は有意に低下し、CsA+DHMEQ群はCsA群と変化はなかった。腎皮質におけるMCP-1およびCCL5のmRNAの発現は、Control群よりCsA群は上昇し、CsA+DHMEQ群はCsA群より低下しており、マクロファージ、好中球の浸潤は、Control群よりCsA群で有意に増加し、CsA+DHMEQ群でCsA群より有意に減少していた。
DHMEQは、CsAが投与されたラットの腎臓において、NF-κB活性化を抑制し、機能的障害、組織学的障害を軽減した。そのメカニズムとしては、マクロファージの活性化や走化性の亢進を促すMCP-1を減少させたことによる間接的効果、以前の報告に示されたマクロファージの活性化や貪食能を抑えるという直接的効果による影響が考えられた。CsAは尿中蛋白流出を抑制することが報告されているが、DHMEQ投与はその効果を変えなかった。
本結果は、英語論文としてアクセプトされている。
腎臓局所細胞のNF-κβ抑制シクロスポリン腎症モデルを作成するのに際し、コントロールのシクロスポリン腎症モデルのマウスモデル(腎臓局所細胞のNF-κβ抑制モデルがマウスモデルであるため)を作成している。腎臓の線維化においてラットより安定せず、現在も種々の条件を変えてマウスの慢性CsA腎症モデルを作成している。
今後実験する予定のラットの慢性移植腎症モデルを作成している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

腎臓局所細胞のNF-κB抑制シクロスポリン腎症モデルはマウスモデルで行う必要がある。しかし、マウスの慢性シクロスポリン腎症モデルは、ラットと同様の条件としても腎臓線維化はラットほど生じない。現在、比較検討するのに最適なマウスモデルを作成に時間を要してしまっている。また、COVID19蔓延により実験に必要な物品、動物の準備に予想より時間がかかってしまっている。

今後の研究の推進方策

マウスの慢性シクロスポリン腎症モデルで、比較検討するのに最適な腎臓線維化が生じるマウスモデルを作成を引き続き行い、完成させ腎臓局所細胞のNF-κB抑制シクロスポリン腎症モデルの検討に入る。また、平行して施行予定としているラット慢性移植腎症モデルの作成も行っていく。

次年度使用額が生じた理由

購入予定であったマウス・ラット・試薬が、実験の進行に合わせて翌年度に購入することになったため。

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公開日: 2022-12-28  

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