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2019 年度 実施状況報告書

転移性腎がん免疫治療への血中循環腫瘍細胞とレパトア解析によるバイオマーカー探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K09739
研究機関順天堂大学

研究代表者

永田 政義  順天堂大学, 医学部, 准教授 (00323668)

研究分担者 長屋 直哉  順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (10795024)
堀江 重郎  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40190243)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード転移性腎細胞がん / 血中循環腫瘍細胞 / レパトア解析 / 免疫チェックポイント阻害薬 / イピリムマブ / ニボルマブ
研究実績の概要

進行腎細胞がん(RCC)に対する免疫チェックポイント阻害薬療法(IO治療)である抗PD-1抗体Nivolumabと抗CTLA-4抗体Ipilimumab併用治療の候補患者から、血中循環腫瘍細胞(CTC)を採取し、薬剤の標的分子発現やPD-L1分子などの免疫チェックポイントの関連分子発現を解析する。また患者側の免疫学的な解析として、末梢血レパトア解析での網羅的解析を行い、薬剤効果予測や重篤なirAE予測因子など有効な個別化IO治療に向けてのバイオマーカー探索する研究である。本研究は2方向のアプローチで行なう。一つは、がん側の遺伝子変異や分子発現解析、もう一方は、患者宿主免疫機能の側面から解析する。患者免疫側の解析手法として、TCR/BCRレパトア解析を用いる。
初年度は主にCTC回収および解析をメインに行なった。実際に進行転移性RCC患者でのCTC回収率やそれからの分子発現解析が可能かどうかを検証した。CTC回収の手法として、AdnaTest (Qiagen社)およびCytoQuest (Abnova社)を用いた。分子標的薬使用中もしくは使用前の進行腎がん症例25例に対して、AdnaTestを用いCTCにおけるPD-L1などの発現を解析した。うち13例にはCytoQuestでもCTC検出を試みた。
結果、PD-L1やEGFRなどの発現の有無はCTCで解析可能であった。発現の有無と、年齢や転移巣の部位、腎摘の有無など各臨床的因子とは全く相関は認めなかった。
次年度はIO併用治療患者より、末梢血レパトア解析をまず10例を目標に行なう予定である。この結果と、免疫関連有害事象の有無など臨床経過を比較検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は主にCTC回収および解析をメインに行なった。実際に進行転移性RCC患者でのCTC回収率やそれからの分子発現解析が可能かどうかを検証した。CTC回収の手法として、AdnaTest (Qiagen社)およびCytoQuest (Abnova社)を用いた。AdnaTestは、磁気ビーズ付きEpCAMやHER2のカクテル抗体でCTCを濃縮、mRNAを回収し、逆転写反応によりcDNAを合成する。任意のprimerでPCRにより分子発現を検出する。CytoQuestは、抗EpCAM抗体コートスライドでCTCを採取する。免疫蛍光染色を用いるため、細胞の形態観察も可能となる。しかし、上皮間葉転換したEMT-CTCは検出できない。分子標的薬使用中もしくは使用前の進行腎がん症例25例に対して、AdnaTestを用いCTCにおけるPD-L1などの発現を解析した。うち13例にはCytoQuestでもCTC検出を試みた。
結果、PD-L1やEGFRなどの発現の有無はCTCで解析可能であった。発現の有無と、年齢や転移巣の部位、腎摘の有無など各臨床的因子とは全く相関は認めなかった。

今後の研究の推進方策

患者側の免疫学的な解析として、末梢血レパトア解析での網羅的解析を行い、薬剤効果予測や重篤なirAE予測因子など有効な個別化IO治療に向けてのバイオマーカー探索する。
次年度はIO併用治療患者より、末梢血レパトア解析をまず10例を目標に行なう予定である。これにはRepatoire Genesis社の非バイアス次世代レパトア解析を委託外注で使用する。これは固形がんではあまり行われていないため、本研究のいちばんの特徴であるとともに、得られた膨大なデータの解析がどの程度可能であるかどうかが課題となると考えられる。この結果と、免疫関連有害事象の有無など臨床経過を比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

本研究でもっとも費用のかかる外注委託するレパトア解析を、当該年度では行なえず、この分の費用を次年度へ繰り越すこととなる。

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公開日: 2021-01-27  

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