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2020 年度 実施状況報告書

HELLP症候群における補体活性化と血管新生関連因子についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09745
研究機関北海道大学

研究代表者

森川 守  北海道大学, 医学研究院, 准教授 (00374380)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードHELLP症候群 / 補体 / 妊娠高血圧症候群 / 血管新生関連因子
研究実績の概要

soluble fms like tyrosine kinase (sFlt-1)およびsoluble endoglin (sEng)を腹腔内へ持続投与することにより作成するHELLP症候群モデルラットについては、sFlt-1およびsEngの投与期間、投与濃度の至適条件を検討するために2020年度に行った追加実験で、高血圧および血小板減少を認めたが、肝機能障害の程度が軽度で再現性が認められず、病理組織所見でもコントロールと比較し、有意な変化を認めなかった。投与期間および投与濃度の増量を行ったが、容量反応性の変化も認められず上記方法によるHELLP症候群モデルラットの作成は困難であると判断した。

HELLP症候群および重症妊娠高血圧症候群の患者血清を使用した、補体系の活性化と血管新生関連因子についての検討ではHELLP症候群10例、重症妊娠高血圧腎症16例、正常妊娠症例(妊娠中期および妊娠後期)20例の検体が集まり、解析を実施した。
補体系としてfragment Ba、solublue C5b-9、mannose-binding lectin、mannan-binding lectin serin protease 1(MASP-1)、MASP-2の濃度を測定し、血管新生関連因子として、sFlt-1、sEng、placental growth factorの濃度を測定し、HELLP症候群において、補体系の活性化を認め、とくにMASP-1、MASP-2の有意な上昇を認めた。血管新生関連因子との相関についても解析を進めている段階である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度の検討でsFlt-1およびsEngの投与によるHELLP症候群モデルラットが作成できたと思われたが、2020年度での追加検討で上記方法での再現性が得られず、sFlt-1、sEngの投与濃度、投与期間の至適条件の検討も追加したが、HELLP症候群モデルラットの作成に至らなかったため、HELLP症候群モデルラットを使用した補体の活性化抑制によるHELLP症候群の治療効果の検討が行えていない。

一方、HELLP症候群および対照群である妊娠高血圧症候群、正常妊娠症例の血清を使用した補体の活性化と血管新生関連因子との検討ではすでに集積した血清での測定を終え、解析に入っている。

今後の研究の推進方策

ELLP症候群および対照群である妊娠高血圧症候群、正常妊娠症例の血清を使用した補体の活性化と血管新生関連因子との検討について、結果をまとめ2021年度に論文投稿予定である。

モデル動物を使用した、補体の活性化抑制によるHELLP症候群の治療効果の検討については、ウイルスベクターを使用したsFlt-1やsEngの過剰発現や、妊娠動物に補体を直接活性化するなど、sFlt-1、sEngの投与とは別方法でHELLP症候群モデル動物が作成可能かどうか検討をする。

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公開日: 2021-12-27  

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