研究実績の概要 |
申請者らは、新規オートファジー誘導因子TFEBの活性化経路の探索研究を行った。オートファジー抑制がTFEBの活性および発現低下に寄ること。そして、その結果PE胎盤に異常蛋白蓄積が起きていることを明らかとした。また、申請者らが以前作成した胎盤特異的オートファジーノックアウトマウスとの比較からも、オートファジー抑制とTFEBには強い関連性があることを確認している。さらに、そのTFEBを介したオートファジー抑制の原因として、PE胎盤に慢性的に認められる低酸素が、関与していることも明らかにした。以上の研究は、Nakashima A, Cheng SB, Ikawa M, Yoshimori T, Huber WJ, Menon R, et al. Evidence for lysosomal biogenesis proteome defect and impaired autophagy in preeclampsia. Autophagy 2019; 26: 1-15 にて報告した。 さらに、オートファジー抑制されたPE胎盤を検出することを目的とし、ERストレスとリソソーム機能に注目した。PE妊婦血清中に胎盤形成不全を示唆するマーカーとしてβガラクトシダーゼが有用であることは、Nakashima A, Cheng SB, Kusabiraki T, Motomura K, Aoki A, Ushijima A, et al. Endoplasmic reticulum stress disrupts lysosomal homeostasis and induces blockade of autophagic flux in human trophoblasts. Sci Rep 2019; 7: 11466.にて報告した。
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