研究課題
【本研究の目的】次世代型の電子制御可変焦点式マルチチャンネルのHIFUトランスデューサを開発し、同トランスデューサを用いて治療し得る至適照射条件について動物実験を通じて新知見を得ること及び臨床手技を確立することを本研究課題の目的とした。本研究課題が達成された場合は、ヒト各種胎児疾患に対する治療への応用が期待できる。【画像用プローブを配した電子制御可変焦点式マルチチャンネルのHIFUトランスデューサーの照射実験及び精度の確認】本年度は昨年度に作成した電子制御可変焦点式マルチチャンネルのHIFUトランスデューサーに画像用プローブを一体化させた治療用HIFUトランスデューサーの作成を行った。画像用プローブをHIFUトランスデューサーの側方配置医及び中央配置の二通りに配し、照射ハンドリングのしやすさ、超音波出力の照射効率及び精度の観点からをHIFU専用超音波ファントムを用いて検討を行った。その結果中央配置はおよそ数%の超音波出力ロスがあることが判明したが、照射精度及びハンドリングのしやすさから画像用プローブは中央配置とした治療用HIFUトランスデューサーを選択し、作成した。上記で作成した治療用HIFUトランスデューサーを用いてファントム照射実験を行った。HIFU照射の制御は専用アプリケーションをインストールしたPC上で行い、理論上のHIFU焦点にファントムの変性が100%で確認でき(5/5),画像用プローブ中央配置治療用HIFUトランスデューサーの照射精度が確認できた。【本年度研究の重要性】動物実験及び臨床応用に用いるための治療用HIFUトランスデューサーは画像用プローブは中央配置が最適であることが超音波強度、精度及びハンドリングの観点から最適であることが実証され、今後の動物実験及び臨床応用で利用する治療用HIFUトランスデューサーが完成したことは本研究における目的の一つである。
4: 遅れている
本来であれば本年度に作成した治療用HIFUトランスデューサーで幼若ブタを用いてHIFU照射実験を行う予定であった。実験場所としては照射に必要な手術室、麻酔機器一式、生体モニターなどすべてが完備された動物実験施設を予定していた。しかしながら動物実験施設へのヒト及びもの移動また実験施設内の密な環境がCOVID19の流行により不可能となってしまい動物実験が行えなかった。
来年度は本年度行えなかった動物実験を行う予定であるが、COVID19の流行が収まらず、動物実験施設での実験ができない場合は超音波ファントムや切り出した鳥肉などを用い生体実験に近い状況下でのin-vivo実験で代用することも同時に検討している。
動物実験が行えなかったためその分の経費を翌年度に繰り越すことになった。
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