研究課題
今回我々はヒト無精子症のうちヒト減数分裂停止 (MA)及びSCOSに起因する無精子症のヒト原因遺伝子群の同定のため患者DNAを用いて次世代シークエンス解析により、ダイレクトにヒト全遺伝子を網羅的に解析した。本研究で用いられる全ての患者(MA及びSCOS)及び正常コントロール群のGenomic DNAは全て文章による同意を得た後に厳重に保管されている。加えて、全ての無精子症患者は染色体異常がないこと及びそのY染色体上に微小欠失が存在しないことが確認されており、全てのサンプルは匿名性が保たれた状態で保管されている。現在までにヒトSCOS患者のDNA 860例を用いてすでに次世代シーケンサーを用いたエクソーム解析が終了し、17個の原因候補遺伝子の同定に成功した。MAに関しては実に28個の候補遺伝子同定に成功した。上記にて得られた原因遺伝子において、従来法のシークエンスにて各々の遺伝子においてそのmutationを再確認したのち、さらにmutation が確認された遺伝子において正常コントロール群でもシークエンス解析を行った。今後上記にて得られたヒト無精子症原因遺伝子に関してmutationを有する配列及び正常コントロールとしてwild typeの配列をそれぞれ発現ベクターに導入して蛋白を抽出して、蛋白レベルの機能解析を行う。
2: おおむね順調に進展している
次世代シーケンサーを用いたエクソーム解析がにより、SCOSにおいて17個の原因候補遺伝子の同定に成功した。さらにMAに関しては28個の候補遺伝子同定に成功したので。
これまで得られたヒト無精子症原因遺伝子に関して、その各々の遺伝子が持つ機能に準じてmutationを有する配列及び正常コントロールとしてwild typeの配列をそれぞれ発現ベクターに導入して蛋白を抽出して、蛋白レベルの機能解析を行い、それに並行して、ノックアウトマウスが報告されていないものに関してはノックアウトマウスを速やかに作成し、解析しマウスにおいてその病態機序を解明する。
すべて 2019
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