研究課題
基盤研究(C)
妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)に対する新規治療法の開発は我々周産期医療従事者にとって喫緊の課題である。PEの病態形成においてレニン-アンジオテンシン系(RAS)は中心的な役割を果たす。しかしながら、RASを標的とした薬は胎児毒性により妊娠中の使用ができない。本研究では、既存のRAS系を標的とした薬剤をリード化合物とし、その構造変換により、胎児への安全域を10倍程度に確保した新規化合物を創出することができた。
周産期医学
本研究は、胎児毒性の排除を目指して薬剤の合成展開を試みる、新しいアプローチの創薬研究である。本研究の成果は、胎児毒性のため使用が制限されるCOX阻害剤への応用による早産治療や、悪性腫瘍合併妊婦に対する抗がん剤治療への応用など、妊娠中の様々な疾患治療にも適用が拡がる可能性を秘めている。