現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究において進捗に影響を与える主要な因子として臨床検体の収集が挙げられる。検体数は対象症例の手術数や同意取得率にも左右される。研究代表者の異動に伴い、名古屋大学大学院医学系研究科と愛知県がんセンター(異動先)の共同研究として2020年度内に愛知県がんセンターの症例に関しても症例蓄積が行える体制を整えた。 研究協力いただいた症例から、腫瘍浸潤リンパ球および抹消血単核細胞の回収や、腫瘍組織からの病理組織標本作製とDNAおよびRNAの回収に関しては、コロナ禍の影響を最小限として大きな滞りなく遂行できている。一方、便・腟分泌物・子宮内分泌物由来のDNA抽出については、便・腟分泌物検体と比較して子宮内分泌物検体からのDNA抽出量が十分でない症例が多く収集に難渋している。今後子宮内分泌物・便・腟分泌物検体セットでの細菌叢解析を実施するためには、子宮内分泌物に関しては最適な採取や抽出方法の検討が必要な状況である。 子宮体がん症例18例(類内膜がん13例、明細胞がん4例、漿液性がん1例)の検体を用いて、名古屋大学医学部微生物・免疫学講座分子細胞免疫学/免疫細胞動態学教室内研究室の協力のもと、FACS解析(12色の同時染色:live/dead,CD3,CD4,CD8,CCR7,CD45RA,Foxp3,PD-1,CTLA4,TIM3,LAG3,TIGIT)を行えた(13例では腫瘍内局在別の評価も実施)。また、11例においては免疫組織化学的検討(Foxp3およびCD8陽性細胞の腫瘍内局在別定量)についてVS120システムを用いての画像解析にて行った。
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