研究課題/領域番号 |
19K09791
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
林 正美 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (00551748)
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研究分担者 |
大道 正英 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10283764)
田中 良道 大阪医科大学, 医学部, 講師 (10625502)
佐々木 浩 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80432491)
古形 祐平 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80829953)
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90278531)
田中 智人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90411363)
藤原 聡枝 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90707960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮頚癌 / miRNA |
研究実績の概要 |
子宮頚癌は早期癌であれば予後は良好だが、進行癌では放射線療法、化学療法、あるいはその併用による治療がなされるが予後は不良である。我々は、microRNAによる遺伝子発現調節に着目し、その一つであるmiR-22がc-myc binding protein(MYCBP)の発現を抑制し、c-myc標的遺伝子の発現低下をもたらし、子宮頚癌の放射線感受性を増加させることをmiR-22の遺伝子強制発現および遺伝子抑制実験により見出し報告した。そこで次に、miR-22をドラッグデリバリーシステムに応用させる方法について検討を行うこととした。miR-22を内包させたエクソソームを作製し子宮頚癌細胞株に投与すると、投与された子宮頚癌細胞のMYCBPの発現量が低下し、放射線感受性が増加した。このことからmiR-22内包エクソソームが進行子宮頚癌の放射線治療に応用できうる可能性が示唆された。 癌微小環境において、癌抗原特異的な細胞障害性T細胞が活性化され癌細胞の増殖を阻害することが知られているが、免疫系の活性化による癌細胞の排除の一方で、免疫系による排除から逃れる免疫回避能力を有した細胞が選択的に増加するという癌免疫編集機構が、治療抵抗性や再発に関与していることが近年明らかとなり注目されている。PD-L1は免疫チェックポイント分子の一つであり、抗PD-L1抗体は他癌腫で近年臨床応用されるようになったが、子宮頚癌での有用性は高くない。PD-L1分子はc-mycの標的遺伝子であることが最近報告された。そこで我々は、miR-22がMYCBPの発現抑制を介して、c-myc標的遺伝子であるPD-L1遺伝子の発現も抑制し、免疫チェックポイント阻害作用をもたらすのではないかと考え、検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PD-L1の発現変動についての種々の解析の途中でありもう少し検討を加えたい。
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今後の研究の推進方策 |
PD-L1遺伝子の発現制御機構について、miRNAのみならず薬剤でも検討を進めるとともに、その抗癌作用についても多面的に検討したい。
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