研究課題
癌では、糖・アミノ酸代謝酵素の発現異常による代謝の変化が、腫瘍形成や癌の増殖の一因となることが報告されているが、子宮体癌における代謝関連因子の発現異常に関する報告は少ない。そこで、本研究は、子宮体癌培養細胞株でCRISPR/Cas9 sgRNAライブラリーを用いた機能喪失スクリーニングを行い、子宮体癌の増殖に必要な代謝関連原因遺伝子の同定と、同時にメトホルミンや酸化的リン酸化阻害剤との相互作用の探索を目的としている。昨年度から引き続き、子宮体癌培養細胞株に対するメトホルミンおよび酸化的リン酸化阻害剤の効果を検証し、増殖に関するMAPKやmTOR経路の抑制を確認した。pERKの低下, pS6の低下、pAMPKの増加が見られたほか、代謝関連因子の発現を検討した。代謝関連遺伝子をターゲットにしたCRISPR/Cas9 sgRNAライブラリーを子宮体癌培養細胞株に導入しメトホルミン、酸化的リン酸化阻害剤など、各種薬剤を添加して非添加群と添加群のDNAを抽出した。今後それらを比較し、癌の増殖や治療感受性に影響する代謝関連遺伝子の同定を検討している。
4: 遅れている
各種培養細胞で薬剤の効果を検証し、各種サンプルの回収をおこなったが、次世代シークエンスでの解析が未施行である。COVID19感染拡大により前半実験の自粛をしている時期があり、培養実験等停止した影響もある。
sgRNAライブラリー導入株をマウスに移植し増殖能の違いから、増殖に関連する因子の抽出を試みる。候補が得られない場合は、他の遺伝子群をターゲットにしたsgRNAライブラリーを検討する。また、候補が得られない場合は、乳癌など他癌で指摘されている代謝に関連する遺伝子をターゲットにしぼって、sgRNAを用いた抑制実験を行い、体癌に関する情報を得る。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)
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