研究課題/領域番号 |
19K09800
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
池田 智明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80202894)
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研究分担者 |
田中 博明 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (30727996)
田中 佳世 三重大学, 医学系研究科, 助教 (60812310)
真木 晋太郎 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90794371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 胎児発育遅延 |
研究実績の概要 |
胎盤での栄養素輸送は、mammallian Target Of Rapamycin( mTOR)が主に調節している。mTORの評価として、mTOR complex 1(mTORC1)とmTOR経路の下流にあるリン酸化4E-binding protein 1(4E-BP1)、S6 Ribosome(S6R)を測定した。具体的には、C57BL6マウスにNO合成阻害薬であるL-NAME(Nω-nitro-L-arginine methyl ester)を投与しFGRモデルマウス(L-NAMEモデル)を誘導し、実験を行った。妊娠11日目よりL-NAMEを母獣に投与し、FGRモデルとし、妊娠17日目に犠牲剖検をおこなった。剖検後、胎盤を採取し、ウエスタン・ブロット法によって胎盤のリン酸化mTOR、4E-BP1・S6Rを半定量し、対照群、FGR群で比較した。妊娠13日目の時点で対照群と比較し、FGR群では胎盤のリン酸化mTOR、4E-BP1、S6Rがいずれも有意に低下していた。 妊娠22-32週にFGR (超音波検査で推定胎児体重 <-1.5SD) と診断された母胎を対象として登録した臨床試験を進めている。対象をプラセボ群とタダラフィル20mg群 (20 mg/日)、タダラフィル40mg群 (40 mg/日)の3群に分ける。主要評価項目は妊娠延長期間、副次評価項目は周産期の有害事象、さらに1.5-3.0歳時における体格、発達指数 (DQ)、脳性麻痺ならびに神経発達症の有無とする。登録症例は連結研究として6歳まで経過観察し、体格、発達指数 (DQ)、神経発達症の推移を継続的に評価する。現在、51例が登録されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床試験における症例登録が予定の70%程度のためである。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試験における症例を増やすため、多施設共同研究とし、登録施設の拡大を目指し臨床試験を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
試験の進行が予定より遅れているため次年度使用額が生じた。次年度は施設を拡大し、試験の進行に必要な材料費、人件費に使用する予定である。
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