研究課題
新規トレーサとしてインドシアニングリーン(ICG)にフィチン酸を結合させ、リポソーム化した新規トレーサーを作成した。新規トレーサー、ICG単独、リポソーム化ICGの3種を用いてリンパ節への滞留時間を調べたところ、投与後1時間と6時間の蛍光強度比はICG単独で蛍光強度比 0.135倍、p=0.014と徐々に減衰し、リポソーム化ICGでも蛍光強度比0.362倍、p=0.281と徐々に減衰したが、新規トレーサーでは蛍光強度比3.077倍、p=0.025と徐々に増幅し、リンパ節に長時間滞留するトレーサーであることが確認できた。また、新規トレーサーを用いてブタによる動物実験を行った。経腟的に投与したが、子宮頸部が小さく困難であり、経腹的に子宮頸部に投与した。新規トレーサーではブタの骨盤リンパ節に長時間滞留することが確認でき、薬剤の安全性として術前、術後1日目、術後7日目、術後14日目、術後21日目に末梢血採血、生化学、凝固系検査を行ったが、特に異常を認めなかった。また、体重の推移も術前、術後21日目で順調に増加していた。本結果より我々が開発した新規トレーサーはマウス、ブタにおいて有効性、安全性が確認でき、今後、センチネルリンパ節検査においてこの新規トレーサーがヒトにも応用できる可能性を本研究で示唆することができた。また、RI法を用いた子宮頸癌症例におけるセンチネルリンパ節生検のみの長期予後の結果を誌上発表し、5年無病生存率98.8%、5年生存率99.4%と良好であることも確認した。
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