研究課題/領域番号 |
19K09808
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
角 俊幸 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50315991)
|
研究分担者 |
市村 友季 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50364005)
福田 武史 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (70570638)
安井 智代 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20347488)
笠井 真理 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30735585)
山内 真 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (10837850)
今井 健至 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (20913221)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 子宮頸癌 / 術後補助療法 / シスプラチン / パクリタキセル / 治療効果予測 |
研究実績の概要 |
令和3年度においては、令和元年度、令和2年度と同様に、術後の病理組織学的検討に基づき、適格基準に照らし合わせ慎重に適格患者を選択し、本研究への患者登録を積極的に行い現在までに89症例を登録した。登録した患者に対してプロトコールに沿った治療を行い、それに伴う治療効果、有害事象等の診療情報の収集を行い、現在登録した群におけるTP療法の有効性と安全性を検討し、術後補助療法としてのTP療法の有効性と忍容性を確認している。さらに、通常の診断治療を目的として得られた腫瘍組織の余剰部分のパラフィン包埋切片を利用し、他癌腫においてシスプラチンの感受性に関連していることが報告されているタンパクであるCLPTM1Lの発現を免疫組織学的に検討し、その発現と子宮頸癌に対する化学療法の効果に関連があることを明らかにした。その結果は令和4年の日本産科婦人科学会学術講演会および日本婦人科腫瘍学会学術講演会での発表を予定しており、現在発表に向けて結果をまとめている最中である。 本研究の目的は、再発危険因子をもつ子宮頸癌に対する術後補助療法としてのTP(パクリタキセル、シスプラチン併用)療法の忍容性と有効性を検討し、更に有効性を予測するバイオマーカーを探索することであり、登録患者の集積および、プロトコールに沿った治療を行うことが重要であり予定症例数の集積を目指し研究を進めている最中である。抗がん剤治療の効果予測に有効なバイオマーカー探索の基礎実験も順調に進捗している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定のペースで患者登録が進んでおり、さらに通常の診断治療を目的として得られた腫瘍組織の余剰部分のパラフィン包埋切片を利用し、子宮頸癌に対する化学療法の効果に関連のある可能性があるタンパクが同定できている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は更に患者登録を進めていき、検体数をさらに増やし、今年度検討したCLPTM1Lの発現以外にもMAD2、Sirtuin1EGFL7、UCP2、XPA等の免疫染色を行い、発現の程度と化学療法の効果、予後等の関連を検討し、子宮頸癌に対する術後補助化学療法の効果予測因子となるバイオマーカーを探索する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度においては、対象患者の登録および治療、それに伴う検体採取、診療情報収集を主におこない、基礎実験も行ったものの予定より支出が少なくなりました。次年度において は、採取した検体を用いてさらなるバイオマーカー探索を目的とした様々な検討を行うことを予定しており、それに必要である実験試薬、機器購入等に次年度使用額を用います。
|