研究課題/領域番号 |
19K09823
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
吉野 修 北里大学, 医学部, 准教授 (00466757)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マクロファージ / M1/M2型 / 子宮内膜症 / 着床 |
研究実績の概要 |
CD206DTRマウスを用いて任意の時期にM2マクロファージを除去できるマウスを用いて検討を行った。M2マクロファージを着床期に除去すると着床不全が起きることを明らかにした。その際、M2マクロファージの除去は子宮内膜上皮の増殖が継続する一方で、子宮内膜間質細胞の増殖が起こらず、このことが着床障害になることを明らかにした。 一般的にM2マクロファージは抗炎症性、M1マクロファージは炎症性マクロファージと大別される。今回着床期におけるM2マクロファージの除去は相対的にM1マクロファージの増加につながり、子宮内膜を炎症状態に陥ることが考えられた。 ヒトの妊娠例および不妊症例の子宮内膜を着床期に採取し M1,M2マクロファージの割合について検討を行ったところ、不妊症例では子宮内膜におけるM1マクロファージの割合が、妊娠例と比べて優位に高いことが示され、マウスで得られて知見と一致した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マクロファージを任意の時期に減らすことができるCD206DTRマウスを用いた研究を精力的に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、排卵、および着床という生理的現象におけるマクロファージの役割について明らかにすることができた。今後は妊娠維持におけるM2マクロファージの役割や、排卵障害や子宮内膜症などの婦人科疾患におけるマクロファージの役割ついて明らかにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に大規模なマウス実験を行うべく、研究費の繰り越しを予定している。
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