研究課題/領域番号 |
19K09828
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
浅野 涼子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (70806471)
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研究分担者 |
宮城 洋平 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長 (00254194)
佐藤 美紀子 日本大学, 医学部, 准教授 (70326049)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮筋腫 / エリスロポエチン / MED12 / 血管成熟 / CDK8 |
研究実績の概要 |
我々はすでに子宮筋腫にはMED12野生型と変異型では遺伝子発現が異なり、またエストロゲン感受性にエリスロポエチンを発現することがMED12野生型子宮筋腫において増大を促進している可能性を示した。現在は子宮筋腫に対する薬物療法に対する反応性がMED12野生型、変異型では効果が異なることを証明し、解析した結果を論文発表に向けて準備段階にある。具体的には偽閉経療法の効果に関して検討した。子宮筋腫に対して外科的に切除した症例において、MED12野生型と変異型では野生型において偽閉経療法の効果が高く、その一因としてエストロゲン依存性のエリスロポエチン発現が抑制され、細胞増殖、抗アポトーシス作用、血管成熟作用が抑制されることが考えられる。 また、治療前に偽閉経療法の効果を予測する方法として、magnetic resonance imaging(MRI)を用いてMED12変異を予測し、間接的に腫瘍縮小効果を予測する方法を提案するために画像解析を行った。免疫染色法で偽閉経療法の効果が高かった子宮筋腫と低かった子宮筋腫の比較をした。MED12野生型では変異型と比較して血管成熟傾向が見られたが、偽閉経療法を行った子宮筋腫においても同様の血管成熟傾向が見られた。結果として短期間の偽閉経療法ではMED12野生型子宮筋腫の血管成熟度に大きな変化をもたらさないことが考えられた。また、MED12変異型の子宮筋腫では血管成熟傾向はなく、偽閉経療法の有無に関わらず、微小血管が主に認められた。 現在はMED12変異型と野生型の子宮筋腫におけるcyclin dependent kinase 8の活性の差、それに伴うエストロゲン受容体活性の差に着目し、それによる子宮筋腫の増大機構を解明しようと解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記内容の論文の英文校正を行い、投稿準備が間もなく完了する。 さらに学会発表の準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
現在はMED12変異型と野生型の子宮筋腫におけるcyclin dependent kinase 8の活性の差、それに伴うエストロゲン受容体活性の差に着目し、それによる子宮筋腫の増大機構を解明しようと主にウェスタンブロット法を用いて解析中である。今後は不死化子宮筋腫細胞、筋腫初代培養細胞を用いてさらにCDK8活性と子宮筋腫増大の関連を証明していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19流行のため旅費の支出が抑えることができた。次年度の実験および論文執筆準備に使用することができる。
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