研究課題
基盤研究(C)
妊娠高血圧症候群では、胎盤において低酸素(ハイポキシア)が認められることから、このハイポキシアが発症の要因となると考えられている。本研究では、胎盤のうち、子宮側の組織である脱落膜に対するハイポキシアの影響を解析した。その結果、ハイポキシアが脱落膜における様々な遺伝子の発現を変化させ、脱落膜の機能に影響することを明らかにした。
妊娠生理、繁殖生理
妊娠高血圧症候群は妊婦の20人に1人が発症する。合併症を伴い重症化しやすく、脳出血や肝機能障害を母体に引き起こし、また胎児には発育不全や致死等の重篤なリスクを伴う。現在、発症機序が不明であるために、早期分娩以外の根本的な治療法が存在しない。これまで胎盤の栄養膜に対するハイポキシアの影響が研究されてきたが、本研究では胎盤の脱落膜に対するハイポキシアの研究を行い、診断マーカーや治療法の開発のために必要な発症機序の解明を目指した。