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2023 年度 実施状況報告書

視床下部性性腺機能抑制における視索前野領域ミクログリアの役割の証明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09836
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

藤岡 仁美  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50410064)

研究分担者 萩原 裕子  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90468207)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワードGnRH / ミクログリア
研究実績の概要

本年度は、昨年度に引き続き問題となっているミクログリアへの低遺伝子導入効率を改善するため、Linら(2022, Nat Methods 19, 976-985)がマウスのミクログリアへの高率の遺伝子導入を報告したセロタイプであるAAV.MG1.2をもちいてラットミクログリアへの遺伝子導入を検討した。
AAV.MG1.2-SFFV-mCherry-DIO-DTAをLE-Tg(OTTC1005) CX3CR1-Cre-ERT2ラット(ミクログリア/Mφ系細胞でタモキシフェン誘導によりCreリコンビナーゼが活性化する組換え遺伝子をラット)の線状体に1.5 uL投与した。タモキシフェン非存在下で飼育し3週間後にサンプリングを行い、ミクログリアのマーカータンパク質であるIba1に対する抗体で免疫染色を行い、Iba1陽性細胞におけるmCherry発現を検討した。しかし、Iba1陽性細胞でも陰性細胞でもmCherryの発現は認められなかった。
原因として、SFFVプロモーター活性が低い可能性、何らかの理由でDTAの発現が生じておりミクログリアが死滅し、新たなミクログリアと置き換わっている可能性などが考えられ、これを検討するため、プロモーターをCMVプロモーターに変更し、mCherry-DIO-DTAをGFPに変更したAAV.MG1.2-CMV-GFPウイルスベクターを現在制作中である。ベクターができ次第、LE-Tg(OTTC1005) CX3CR1-Cre-ERT2ラットに投与し、ミクログリアへの遺伝子導入を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和5年度は令和4年度に引き続き、LE-Tg(OTTC1005) CX3CR1-Cre-ERT2ラットを用いて、ミクログリアを操作する実験に着手する目的で、ミクログリアに効率に遺伝子導入できるセロタイプを選定するため、AAVベクターの投与実験を重ねたが、いまだミクログリアで導入遺伝子を発現させるに至っておらず、研究の進捗は遅れている。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、プロモーターをCMVプロモーターに変更し、mCherry-DIO-DTAをGFPに変更したAAV.MG1.2-CMV-GFPウイルスベクターを作成し、LE-Tg(OTTC1005) CX3CR1-Cre-ERT2ラットに投与して、ミクログリアへの遺伝子導入を検討する。また、AAV.MG1.2セロタイプが、ラットのミクログリアに対しては遺伝子導入効率が悪い可能性もあるため、Okadaら(2022, Commun Biol 5, 1224)がマウスのミクログリアへの高率の遺伝子導入を報告しているAAV9セロタイプを用いてミクログリアへの遺伝子導入を検討する予定である。ミクログリアへの遺伝子導入の条件が決定次第、速やかにミクログリアを特異的に除去する実験を、続いてDREADDによるミクログリア活性化を抑制する実験の検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度は、ラットのミクログリアへのAAVによる遺伝子導入の条件検討のための、AAV.MG1.2-SFFV-mCherry-DIO-DTAの購入費、消耗品、免疫染色のための試薬などの購入を行ったが、ミクログリアで導入遺伝子を発現させることに難航しているため、計画していた実験の試薬・投与ウイルスなどの購入費の一部が次年度に繰り越し、次年度使用額が生じた。令和6年度は、AAV.MG1.2セロタイプテスト用のパッケージング用試薬、ミクログリアを特異的に除去する実験と、DREADDによるミクログリア活性化を抑制する実験のための試薬や投与AAVの購入等に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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