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2021 年度 実績報告書

鼻腔洗浄液中の細胞外小胞(エクソソーム、マイクロベシクル)による新規診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K09843
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

清水 志乃  滋賀医科大学, 医学部, 医員 (50505592)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードエクソソーム / 鼻茸線維芽細胞 / 好酸球 / VEGF / 細胞外小胞
研究実績の概要

鼻科手術を受けた患者の鼻腔洗浄液を回収し、鼻腔洗浄液中のエクソソーム濃度をELISA法で測定した。計測したすべての検体でエクソソームが検出された。一部の検体を用いて、鼻腔洗浄液からエクソソームを単離・精製した。ナノサイト解析により粒子径と粒子濃度分布を測定した。鼻腔洗浄液からエクソソームが回収でき、プロテオーム解析に十分な量の蛋白を抽出できることを確認した。回収したエクソソームから抽出した蛋白のショットガン解析により、エクソソームマーカーCD9、CD63、CD81が検出されていることを確認した。
培養細胞を用いた検討では、末梢血好酸球あるいは好酸球性細胞株EoL-1細胞と好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸線維芽細胞の共培養を行った。共培養によって上清中のエクソソームとVEGF産生が有意に増加した。線維芽細胞から放出される細胞外小胞を回収し、ナノサイト解析により粒子径と粒子濃度分布を確認した。線維芽細胞から回収した細胞外小胞をEoL-1細胞に加えると上清中のVEGF濃度が上昇した。エクソソーム阻害薬は共培養時のエクソソームおよびVEGF産生を共に抑制したことから、好酸球と鼻茸線維芽細胞の細胞間相互作用によってVEGF産生が生じ、その機序にエクソソームが関与することがわかった。
以上の検討から、ヒト検体を用いた検討では、鼻腔洗浄液中のエクソソームが回収できることを示した。今後解析結果から病態との関連について検討する。培養細胞を用いた検討では、新しい細胞間情報伝達物質として、エクソソームを含む細胞外小胞が好酸球性副鼻腔炎の組織リモデリングに関与することを示すことができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nasal polyp fibroblasts (NPFs)-derived exosomes are important for the release of vascular endothelial growth factor from cocultured eosinophils and NPFs2021

    • 著者名/発表者名
      Shino Shimizu, IchiroTojima, Keigo Nakamura, Hiroyuki Arai, Hideaki Kouzaki, Takeshi Shimizu
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.anl.2021.10.002

    • 査読あり
  • [学会発表] 好酸球と鼻茸線維芽細胞の細胞間相互作用におけるエクソソームの役割について2021

    • 著者名/発表者名
      清水志乃、戸嶋一郎、中村圭吾、神前英明、清水猛史
    • 学会等名
      日本鼻科学会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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