| 研究課題/領域番号 |
19K09848
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| 研究機関 | 高知大学 |
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研究代表者 |
兵頭 政光 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00181123)
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| 研究分担者 |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (00376956)
弘瀬 かほり 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (20527709)
長尾 明日香 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30646021)
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (40157540)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 嚥下運動 / 可視化 / コンピュータシミュレーション / CT画像 / 立体形状モデル |
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| 研究実績の概要 |
嚥下障害の病態を把握する方法として、嚥下時の嚥下器官および食塊の運動を可視化する方法がある。われわれは、医用画像技術と解剖学的知見から生体数理モデルを製作し、嚥下のコンピュータシミュレーションを開発し、嚥下のメカニズムおよび嚥下障害の病態を解明する研究に取り組んだ。
本研究では嚥下運動をコンピュータシミュレーション（Swallow vision）を用いて解析した。 Swallow visionは、①CT画像と嚥下造影検査のデータによる嚥下関連器官のモデリング、②食塊のモデリング、③粒子法を用いた嚥下器官モデルと食塊モデルの連性解析、の3つのステップからなる。その結果として、①嚥下中の器官の運動と液状食塊（ニュートン流体）の流れの可視化、②嚥下中の液状食塊（非ニュートン流体）の粘度の時間的な推移、③誤嚥した食塊の軌跡の追跡、④嚥下時の喉頭挙上量と誤嚥リスクの関係、⑤咽頭収縮筋の筋活動解析、などのデータを得ることができた。従来行われてきた、嚥下内視鏡や嚥下造影検査、マノメトリー検査などの嚥下機能検査では把握することが難しかったこれらのデータから、嚥下障害の詳細なメカニズムを定量的かつ客観的に、捉えることが可能となった。嚥下障害診療への応用が期待できる。
一方で、本シミュレーションの課題は、声帯モデルの制作期間に時間を要することであり、そのために画像解析技術の向上や、計算手法の自動化などについて検討を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
嚥下時の嚥下器官および食塊の運動をコンピュータシミュレーションにより、四次元的に可視化する手法を確立した。それを基に嚥下障害の病態評価や治療法選択に応用することを着実に進めており、臨床データも着実に蓄積している。研究成果は学会や学術誌に発表しており、研究は順調に進捗している。
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| 今後の研究の推進方策 |
本コンピュータシミュレーション（Swallow Vision）のデータを基に嚥下障害の病態評価につなげるためのアルゴリズムや基準の作成を予定している。また、そのデータを基に嚥下障害患者ごとに適した食形態（形状、硬度、粘度など）の選択につなげることも予定している。これらを通して、本コンピュータシミュレーションの有用性の確認と臨床応用への展開につなげたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大により、臨床データの収集、研究打合せや学会発表などが大きく制限されたことで、研究実施の一部を次年度に繰り越すことになった。2022年度にはこれらが実施できる見込みであり、そのために助成金を適切に使用する。
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