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2020 年度 実施状況報告書

頭頚部癌の頸部リンパ節転移におけるAP-1遺伝子群の役割および機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K09851
研究機関横浜市立大学

研究代表者

百束 紘  横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80712794)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード頭頚部癌
研究実績の概要

頭頚部癌は,ここ数十年予後の改善は乏しい.大きな原因の一つとして,頭頚部癌が高頻度に転移病変を有し,その制御が困難なため,治療成績が改善しないことがあげられる.申請者は,数多くの頭頚部癌細胞株による同所性頸部リンパ節転移モデルにおける頸部リンパ節転移形成能をin vivoで検討し,さらにwhole gene microarrayおよび遺伝子カスケード解析を行うことで,頭頚部癌転移関連候補遺伝子としてAP-1遺伝子群を同定した.AP-1遺伝子群の複数のタンパク発現を検討し,FosL1およびJunBにおいて,siRNAを用いたFosL1およびJunB発現抑制によりヒト頭頸部癌細胞株の細胞増殖能,遊走能が低下することを同定した.そこで,shRNAを用いたFosL1の安定的タンパク発現抑制細胞株を作成し,検討した結果,
安定的FosL1発現抑制細胞株は,安定的コントロール細胞株と比較し,細胞増殖能,遊走能が低下した.さらに,同所性頸部リンパ節転移モデルを用いて,頸部リンパ節転移能の検討をした結果,コントロール細胞株を移植した群と比較して,安定的FosL1発現抑制細胞株を移植した群は,頸部リンパ節転移能が低下した.以上より,FosL1発現抑制により,頭頚部癌における頸部リンパ節転移能が低下することが示された.
そこで,FosL1に制御される下流にある遺伝子の中から,浸潤能,遊走能,頸部リンパ節転移に直接関与する因子の探索を行うため,安定的コントロール細胞株と安定的FosL1発現抑制細胞株を用いて,プロテオーム解析を行い,候補遺伝子の絞り込みを行い,その候補遺伝子の中から,真に浸潤能,遊走能,頸部リンパ節転移に関与する遺伝子を探索する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

頭頚部癌の頸部リンパ節転移関連候補遺伝子としてFosL1を同定したが,その後の検討でその下流に存在する候補遺伝子から,浸潤能,遊走能,頸部リンパ節転移に直接関わる候補遺伝子の絞り込みを行った後,真にそれらに関わる遺伝子の同定に至っていない.

今後の研究の推進方策

FosL1に制御される下流の遺伝子の中から,候補遺伝子を絞り込み,その遺伝子群から引き続き,浸潤能,遊走能,頸部リンパ節転移に直接関与する因子の探索を継続する.

次年度使用額が生じた理由

予定していたよりも予算を使わずに実験を遂行することができたため.

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公開日: 2021-12-27  

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