研究課題
基盤研究(C)
頭頸部癌は高頻度に転移病変を有し,その制御が困難なため死に大きく関わる疾患である.申請者は,ヒト頭頸部癌細胞株を用いた同所性マウスモデルにおける頸部リンパ節転移形成能の結果と,whole gene microarrayおよび遺伝子カスケード解析を組み合わせ,頭頸部癌転移関連候補遺伝子としてAP-1遺伝子群を同定した.そのうち,FosL1がヒト頭頸部癌細胞株の細胞増殖能,遊走能に関わることを同定し,さらに同所性マウスモデルにおいて,FosL1を抑制することが頸部リンパ節転移能を低下させることを同定した.以上よりFosL1発現抑制により頭頸部癌における頸部リンパ節転移能が低下することが示された.
耳鼻咽喉科
頭頸部癌は高頻度に転移病変を有し,その制御が困難なため死に大きく関わる疾患である.申請者は,FosL1が頭頸部癌の頸部リンパ節転移に関わることを同定し,FosL1を抑制することで,頸部リンパ節転移を抑制できることを示した.今後,FosL1に関わるパスウェイを抑制するような新薬の開発によって,頭頸部癌患者の治療成績の向上に寄与する可能性や,事前に頸部リンパ節転移を起こしやすいか否かを推測できる可能性があり,頭頸部癌患者に対するオーダーメイド治療が可能となり得る.