中枢での視覚と前庭の相互作用に着目して、中枢の平衡機能障害をより鋭敏に診断する検査法を開発することを目的とした。 温度性眼振出現中に自動的に視刺激が行えるiPhoneアプリを開発して、追跡眼運動を行わせた。その間の複合眼運動を離散的フーリエ変換を用いて追跡眼運動と前庭性眼振成分に分けた。健常成人では追跡パターンは円滑で前庭性眼振の抑制率は高かった。中枢性めまい患者の追跡パターンは前庭刺激の付加により階段状となり、眼振抑制率は健常成人の平均値より有意に低かった。健常成人では視運動刺激を付加すると視運動刺激に従う眼振が誘発されたが、刺激の方向の違いにより眼振数や緩徐相速度に有意差がみられた。
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