研究課題/領域番号 |
19K09856
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
室伏 利久 帝京大学, 医学部, 教授 (30242176)
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研究分担者 |
坪田 雅仁 帝京大学, 医学部, 講師 (90436791)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性めまい / 持続性知覚性姿勢誘発めまい |
研究実績の概要 |
初年度における2019年度においては、①研究のための環境整備、②文献調査による持続性知覚性指定誘発めまい(PPPD)の最新の研究状況の把握を行った。さらに、③国際・国内学会における情報収集を行った。①に関しては、B-81を用いてoVEMP記録を行うための機器であるEclipseを購入し、研究者内で記録条件設定のためのパイロットスタディを開始した。刺激様骨導端子は、耳前情報のいわゆるこめかみ部に設置することとした、また、パイロットスタディの過程で、ウレタンフォーム製に耳栓による外耳道閉塞により前庭誘発眼筋電位(ocular vestibular evoked myogenic potential, oVEMP)の振幅増大、有反応率の向上に 有効であることが判明した。今後この方法を症例におる記録では採用するものとした。また、PPPDの診断を確実にするための問診票を整備した。②については研究者内で文献を収集し、現状把握に努めた。③に関しては、2018年度までの科学研究費による研究成果の世界神経学会での口頭発表の機会に、2019年度からの本研究に資する情報について、各国の研究者と意見交換した。また、国内では、日本めまい平衡医学会や日本耳鼻咽喉科学会の学術講演会において、PPPDに関する研究状況に関する調査を行った。PPPDに関しては依然心理学的なアプローチが主流で、本研究における生理学的なアプローチは本疾患の本質をあきらかにするために重要であることが再確認された。なお、2020年3月には、姿勢と歩行研究会においても情報交換と若干の発表を行う予定であったが、COVID-19感染症の流行のため研究会が1年間延期となってしまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の状況おしては、おおむね予定通りに進行している。ただし、昨今のCOVID-19感染症の影響のため、2020年度に関しては、先行きに不明な部分があることが懸念される。
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今後の研究の推進方策 |
初年度でおおむね環境整備ができたので、2020年度からは、実際の症例に関するデータ収集を積極的に行っていきたい。まず、聴性中間反応(auditory middle latency response, AMLR)に関する研究を先行させ、さらに、oVEMPに関する研究も進めたい。今年度は、COVID-19感染症の影響もあり国際学会はほぼ開催されないと考えられるので、国際学会での情報収集ならびに成果発表は、来年度以降の課題としたい。
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