研究課題/領域番号 |
19K09856
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
室伏 利久 帝京大学, 医学部, 教授 (30242176)
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研究分担者 |
坪田 雅仁 帝京大学, 医学部, 講師 (90436791) [辞退]
鈴木 大士 帝京大学, 医学部, 助手 (90801142)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性めまい / 持続性知覚性姿勢誘発めまい / 誘発電位 |
研究実績の概要 |
①PPPDの実態について症例をもとに検討した。われわれの経験した症例において、年齢、性別、先行疾患、末梢前庭障害の状況などについて検討した。この件ついては、年齢は比較的故例のものが多く、男女比では女税に多い傾向を認めた。また、先行疾患としては、前庭神経炎が多く、特発性耳石器性めまいがこれに次いだ。末梢前庭障害については、耳石器障害を有する者が多い傾向を認めた。末梢前庭障害の有無の違いは、重心動揺検査成績、DHIやNPQといった質問紙のスコアとの相関を認めなかった。これらの結果は、耳石器障害は、PPPDD発症には関係するが、その症状の維持そのものには大きな関与がなく、症状の持続は、中枢神経系の感覚情報処理機構の障害と考えるのが妥当であることを示唆する結果であった、これらの結果については、第18回姿勢と歩行研究会で発表した。また、2022年度のバラニ―学会および国際姿勢歩行学会でも発表予定である。なお、この内容の論文は、Frontiers in Neurologyに受理され掲載予定である。 ②PPPDの中枢神経系における感覚情報処理過程の障害の一つとして、馴化障害を仮定して研究を進めた。その実験系として、反復性聴覚刺激に対する馴化を中間潜時反応(MLR)におけるNa-Pa振幅の変化を指標として検討した。これについては現在データ蓄積中であるが、将来的には、学会発表ならびに論文投稿が可能であることが期待されている。 ③骨導刺激によるoVEMPの反復刺激に対する馴化の研究について健常者における予備的な研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①PPPDの実態について症例をもとに検討した。われわれの経験した症例において、年齢、性別、先行疾患、末梢前庭障害の状況などについて検討した。この件ついては、年齢は比較的故例のものが多く、男女比では女税に多い傾向を認めた。また、先行疾患としては、前庭神経炎が多く、特発性耳石器性めまいがこれに次いだ。末梢前庭障害については、耳石器障害を有する者が多い傾向を認めた。末梢前庭障害の有無の違いは、重心動揺検査成績、DHIやNPQといった質問紙のスコアとの相関を認めなかった。これらの結果は、耳石器障害は、PPPDD発症には関係するが、その症状の維持そのものには大きな関与がなく、症状の持続は、中枢神経系の感覚情報処理機構の障害と考えるのが妥当であることを示唆する結果であった、これらの結果については、第18回姿勢と歩行研究会で発表した。また、2022年度のバラニ―学会および国際姿勢歩行学会でも発表予定である。なお、この内容の論文は、Frontiers in Neurologyに受理され掲載予定である。 ②PPPDの中枢神経系における感覚情報処理過程の障害の一つとして、馴化障害を仮定して研究を進めた。その実験系として、反復性聴覚刺激に対する馴化を中間潜時反応(MLR)におけるNa-Pa振幅の変化を指標として検討した。これについては現在データ蓄積中であるが、将来的には、学会発表ならびに論文投稿が可能であることが期待されている。この内容については2022年度中に学会発表を行い、2023年度における論文化を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
①PPPDの中枢神経系における感覚情報処理過程の障害の一つとして、馴化障害を仮定して研究を進めているが、この研究をさらに推進したい。症例を蓄積し、学会発表ならびに論文化を進める。 ②さらに、反復刺激の馴化の影響が耳石器系にもおよぶかどうかを骨導刺激によるoVEMPを指標として試みたい。これについても研究期間中の学会発表、さらには論文化を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響により国際学会への出張が無かったため、国際学会の予算であったものが次年度使用分として残っている。2022年度には、国際学会出張や論文掲載費として使用予定である。
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