研究課題/領域番号 |
19K09858
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
牛尾 宗貴 東邦大学, 医学部, 講師 (70361483)
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研究分担者 |
鈴木 光也 東邦大学, 医学部, 教授 (50302724)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 平衡障害 / 転倒 / 電気刺激 / 前庭 |
研究実績の概要 |
1. 蓄積されたデータを解析して相違点を抽出: すでに蓄積されている健常者110名強のうち50名、一側または両側末梢前庭機能高度低下症例2200例強のうち120例、中枢障害症例190例強のうち20例の平衡機能検査(冷温交互刺激による温度刺激検査を含む電気眼振計検査、前庭誘発筋電位検査など)と重心動揺計検査と同時に行った足底圧検査、モーションキャプチャーを用いた体平衡3D解析の結果をまとめた。 2. 静的条件下での平衡コントロール:静的条件下(重心動揺計と足底圧計の上に両脚起立)で健常者(30名)、一側(100例)または両側末梢前庭機能高度低下症例(30例)、中枢障害症例(30例)を対象として平衡機能検査(冷温交互刺激による温度刺激検査を含む電気眼振計検査、前庭誘発筋電位検査、定量的head impulse test)と体平衡3D解析、足底圧検査ならびに電気刺激を行うために、機器をセッティングしている。現時点では2チャンネルで電気刺激できるセッティングが完了しており、頭部の動揺(トリガーとなる加速度は任意に設定可能)が生じた際に反対方向への頭部動揺を生じしめる刺激が可能になっている。 3. 動的条件下での平衡コントロール: 静的条件での平衡コントロールが可能のなった後と想定していたので、動的条件下での平衡コントロールには進んでいない。 4. 頭部に装用する出力器を作成: 頭部に装用する3D加速度計の原型となる1D(左右方向のみ)出力器+加速度計は完成し、2.の研究に使用している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1. 蓄積されたデータを解析して相違点を抽出:すでに蓄積されている健常者110名強のうち50名、一側または両側末梢前庭機能高度低下症例2200例強のうち120例、中枢障害症例190例強のうち20例の平衡機能検査(冷温交互刺激による温度刺激検査を含む電気眼振計検査、前庭誘発筋電位検査など)と重心動揺計検査と同時に行った足底圧検査、モーションキャプチャーを用いた体平衡3D解析の結果をまとめた。本年度に全例をまとめる予定であった。 2. 静的条件下での平衡コントロール: 静的条件下(重心動揺計と足底圧計の上に両脚起立)で健常者(30名)、一側(100例)または両側末梢前庭機能高度低下症例(30例)、中枢障害症例(30例)を対象として電気刺激を行うために、機器をセッティングしている。現時点では2チャンネルで電気刺激できるセッティングが完了しており、頭部の動揺(トリガーとなる加速度は任意に設定可能)が生じた際に反対方向への頭部動揺を生じしめる刺激が可能になっているが、本年度に半数程度の例への刺激を予定していた。 3. 動的条件下での平衡コントロール: 動的条件下での平衡コントロールには進んでいないが、これは3年目に予定していた。 4. 頭部に装用する出力器を作成: 頭部に装用する3D加速度計の原型となる1D(左右方向のみ)出力器+加速度計は完成し、2.の研究に使用しているが、本年度に3D加速度計を用いたヘッドセットを作成し、特許申請する予定であった。 コロナ関連で臨床研究の遅れと機器メーカーとの作業の遅れが生じた部分もある。
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今後の研究の推進方策 |
1. 蓄積されたデータを解析して相違点を抽出: まだ解析していない対象の平衡機能検査と重心動揺計検査と同時に行った足底圧検査、モーションキャプチャーを用いた体平衡3D解析の結果をまとめ、平衡障害を有する症例と健常者の頭部と体幹の動揺部位と程度の違いを明らかにする。 2. 静的条件下での平衡コントロール: 静的条件下(重心動揺計と足底圧計の上に両脚起立)で健常者(30名)、一側(100例)または両側末梢前庭機能高度低下症例(30例)、中枢障害症例(30例)の平衡機能検査と体平衡3D解析、足底圧検査を行う。さらに、8チャンネルの電気刺激装置を用いて健常者の左右の側頭部と耳前部、耳後部、下肢を電気刺激し、一側末梢前庭機能高度低下症例の体平衡、足底圧の再現を健常者で試みる。また、逆に、一側および両側末梢前庭機能高度低下症例の左右の側頭部と耳後部、腰部、下肢を電気刺激し、健常者の体平衡、足底圧の再現を一側および両側末梢前庭機能高度低下症例で試みる。 3. 動的条件下での平衡コントロール: 歩行や走行など、日常生活の多くの時間は動的条件下にあるが、動的条件は平衡障害をより顕著にする。動的条件下(体平衡3D解析用CCDカメラで撮影できる位置で足踏み検査)で2.の対象者に2.と同様の検査と電気刺激を行い、動的条件下でリアルタイムかつ持続的に平衡をコントロールできる電気刺激の条件を明らかにする。 4. 頭部に装用する出力器を作成: 頭部に装用する3D加速度計を含む出力器を作成して、加速度情報を出力器から電極に伝達できるようする。さらに、1.から3.で得られた「頭部と体幹で動揺している部位と程度、これらを軽減できる頭部および体幹の電気刺激条件」から、加速度情報を電気刺激に変換する条件を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に3D加速度計を含むヘッドセットを完成予定であったが、コロナ関連もあり、機器メーカーとの作業に遅れが生じ、必要経費を次年度に持ち越すことになった。次年度には上記ヘッドセットを完成予定でるため、滞りなく使用することになる。
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