研究実績の概要 |
去年度までの治療が完遂されたHPV関連中咽頭癌16例に加えて新たに4例が解析対象として追加されたが、試薬供給の停滞のため2例は以前と同様に治療前、10Gy,20Gy、30Gy,40Gy,50Gy,60Gy,70Gyのポイントで血液検体からPBMCを採取しBispecific抗体を用いてCTL活性を測定したが、あとの2例は治療前と20Gyと40Gyと70Gyの4ポイントの測定になった。新規追加例のうち3例が寛解、1例が病変遺残を認めた。CTLの活性値は治療前をベースとし、最大活性値/ベース活性値が2以上が3例、1.5~2.0および1.0~1.5は認めず、1未満が1例であった。最大活性値/ベース活性値は寛解例は2以上で、遺残例が1未満であった。治療中の活性値のピークは20Gy時が2例、30Gy時が1例、40Gy時が1例、50Gy時以降は0例であった。治療後に最大になる症例は認めなかった。現在までの解析20例では最大活性値が20Gy~40Gyが17例/20例(85%)であり、50Gy以降で最大になった3例も70Gy時の値とほぼ同値であった。以上のことから解析ポイントは治療前、20Gy、40Gy、70Gyの4ポイント測定でも遜色のない解析と考えられた。試薬供給の状況にもよるが試薬供給が少ない場合は今後は解析ポイントを減らして新規症例の解析を続けていくことも考慮する。
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