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2021 年度 実施状況報告書

マルチ9軸センサと次世代VOGを用いた頭部・体幹・眼球同期記録と動的平衡機能評価

研究課題

研究課題/領域番号 19K09870
研究機関山口大学

研究代表者

橋本 誠  山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50343299)

研究分担者 山下 裕司  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00210419)
菅原 一真  山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (20346555)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード頭位センサ / videooculography
研究実績の概要

yVOG-Glassのカメラユニットに内蔵した9軸センサ(3軸ジャイロセンサ、3軸加速度センサ,3軸地磁気センサ)を頭部におき、得られた角速度、加速度をPCに 取り込み,加速度、速度、位置を記録し,眼球運動と頭部の同期処理を行った。yVOG-Glassのセンサ部を体幹に置くことにより、体幹運動を頭部運動と同様に記録した。
yVOG-Glassでの眼振の定量的評価について,眼振の波形としては問題なく記録出来ていても、緩徐相、急速相の認識が不十分で眼振を捉えられない場合があり、精度に課題があった。VOGの原理は画像解析であり,まずは適切な画像を記録することが重要で、そのために、ハードウエア、ソフトウエアの改良を行った。ハードウエアについては,頭部顔面との固定性と個体差への対応を重視し、ゴーグルを改良しソフトウエア面でも眼振検出アルゴリズムの見直しを含め,精度向上に取り組んだ。
ソフトウエアを何度か修正して今回再検討したところ,yVOG-Glassでの波形記録と眼振認識の「悪」の評価が減少し、やや向上した。さらにvisual suppression中の眼振認識が向上した。波形は良好に描画できているのに、眼振認識率が低い要因として急速相と緩徐相の切り分けがある。デジタルENGでは、温度眼振、視運動性眼振など、あらかじめ眼振の方向が分かっている眼振の水平成分のみを解析対象にしている。一方yVOG-Glassは自発眼振を含めすべての眼振の眼振について、水平・垂直・回旋の三成分を、眼振方向の判定を含めて解析対象にしたアルゴリズムにしている。アルゴリズムが複雑となり、デジタルENGと比べて眼振認識率が低くなっていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

yVOG-Glassによる眼球運動解析の精度に課題が残っており、適切な画像を記録するためのハードウエアの改良、ソフトウエア、眼球認識アルゴリズムの向上の課題が抽出された。機器の開発、精度向上を進めている。体幹運動を記録するにあたり、yVOG-Glassを用いることが出来たが、新型コロナウイルスの影響で物流,半導体納品が遅れており,最適化した9軸センサ単体機器の開発がやや遅れている。

今後の研究の推進方策

yVOG-Glassにおける垂直成分記録の問題点として,瞳孔認識ロジックに問題があり,ノイズが多く,誤認されることがある。これまでのアルゴリズムは,実際の黒いところを楕円として中心座標を求めていたため,不正確になることがあった。そこで,瞳孔の一部が欠けても正しい瞳孔中心座標を推測するよう,アルゴリズムを修正する。修正したアルゴリズムの精度検証を行う。

次年度使用額が生じた理由

体幹運動を記録するにあたり、yVOG-Glassを用いてきたが、新型コロナウイルスの影響で物流,半導体納品が遅れており,最適化した9軸センサ単体機器の開発がやや遅れている。また眼振解析に使用したパーソナルコンピュータが故障し、最終成果確定が令和4年度になるため次年度使用額が生じた。9軸センサ単体機器の開発, パーソナルコンピュータの更新など物品、成果発表に使用予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Galvanic test2021

    • 著者名/発表者名
      Hashimoto Makoto、Yamashita Hiroshi
    • 雑誌名

      Equilibrium Research

      巻: 80 ページ: 57~62

    • DOI

      10.3757/jser.80.57

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リアルタイム三次元解析可能な Videooculography2021

    • 著者名/発表者名
      橋本 誠、沖中 洋介、菅原 一真、池田 卓生、山下 裕司
    • 雑誌名

      日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報

      巻: 124 ページ: 1135~1138

    • DOI

      10.3950/jibiinkotokeibu.124.8_1135

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 眼振・異常眼球運動動画ライブラリー 解説2021

    • 著者名/発表者名
      城倉 健、堀井 新、今井 貴夫、橋本 誠、浅井 正嗣、池田 卓生、佐藤 豪、重野 浩一郎、高橋 幸治、武井 泰彦、中村 正、山本 昌彦、渡辺 行雄、武田 憲昭、肥塚 泉
    • 雑誌名

      Equilibrium Research

      巻: 80 ページ: 600~611

    • DOI

      10.3757/jser.80.600

  • [学会発表] videooculographyにおける眼振の定量化精度向上への課題2021

    • 著者名/発表者名
      橋本 誠, 沖中 洋介, 藤井 博則, 橋本 智子, 菅原 一真, 池田 卓生, 山下 裕司
    • 学会等名
      第122回日本耳鼻咽喉科学会
  • [学会発表] 三次元videooculographyによるガルバニック前庭刺激で誘発された眼球運動所見の解析2021

    • 著者名/発表者名
      沖中 洋介, 橋本 誠, 菅原 一真, 藤井 博則, 山下 裕司
    • 学会等名
      第122回日本耳鼻咽喉科学会
  • [学会発表] videooculographyにおける眼振・眼球運動の定量的評価2021

    • 著者名/発表者名
      橋本 誠, 藤井 博則, 菅原 一真, 山下 裕司
    • 学会等名
      第83回耳鼻咽喉科臨床学会
  • [学会発表] videooculography における動画記録、眼振解析精度の向上2021

    • 著者名/発表者名
      橋本 誠, 沖中 洋介, 藤井 博則, 菅原 一真, 池田 卓生, 山下 裕司
    • 学会等名
      第80回日本めまい平衡医学会
  • [学会発表] 三次元 videooculography で解析した正常被験者に対するガルバニック前庭刺激で誘発された眼球運動の検討2021

    • 著者名/発表者名
      沖中洋介,橋本 誠,藤井博則,菅原一真,山下裕司
    • 学会等名
      第80回日本めまい平衡医学会
  • [学会発表] めまい専門外来における長期通院患者に対する内服治療の検討2021

    • 著者名/発表者名
      藤井博則,橋本 誠,沖中洋介,菅原一真,山下裕司
    • 学会等名
      第80回日本めまい平衡医学会
  • [図書] 前庭神経炎診療ガイドライン 2021年版2021

    • 著者名/発表者名
      肥塚 泉,武田憲昭,橋本 誠,山下裕司,他
    • 総ページ数
      72
    • 出版者
      金原出版
    • ISBN
      9784307371308

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公開日: 2022-12-28  

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