研究実績の概要 |
1) 一次治療として手術を施行した口腔癌患者64名を対象に,患者・疾患因子に加え,種々の血液学的な栄養・免疫・炎症の指標としてCRP, Alb, CAR, TP, AGR, mGPS, PNI, T-chol, CONUT, mCONUT, BMI, 血球数(白血球数, 好中球数, リンパ球数, 単球数, 血小板数, Hb値), NLR, PLR, LMRを説明変数として全生存率(OS)と無病生存率(DFS)の推定能を多変量解析にて検討した結果,OSではCAR (P = 0.002, HR = 8.926)とBMI (P = 0.00009, HR = 0.075),DFSではLMR (P = 0.014, HR = 6.527) が有意な独立予後因子であった。 2) 一次治療として化学放射線治療を施行した下咽頭癌・声門上癌患者96名を対象に,患者・疾患因子に加え,種々の血液学的な栄養・免疫・炎症の指標の予後予測能を多変量解析にて検討した結果,OSではAGR (P = 0.008),PLR (P = 0.002),N分類 (P = 0.021),DFSではAGR (P = 0.044),LMR (P = 0.032), mCONUT (P = 0.028), N分類 (P = 0.005)が有意な独立予後因子であった。 3) 咽頭扁平上皮癌細胞株に対する選択的なCox2阻害およびEP2阻害は,幹細胞関連因子であるOct3/4 および Nanogの発現抑制,およびanchorage-independentな細胞増殖能を反映するsphere formationを抑制し,がん幹細胞特性の減弱効果を示した。中下咽頭癌の生検および導入化学療法後の切除標本を用いた免疫組織化学的検討の結果,治療前の癌組織におけるCox2発現と導入化療による組織学的治療効果に有意な逆相関を認めた。
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