研究実績の概要 |
1) 一次治療として導入化学療法後根治手術を施行した局所進行舌癌32例を対象に,健側頸部リンパ節転移(contralateral lymph node metastasis: CLNM)の出現規定因子,および全生存率(OS)と無病生存率(DFS)の予後規定因子を検討した。多変量解析の結果,CLNMの独立規定因子はmidline involvement (OR = 23.100, P = 0.017)およびperineural invasion (PNI)(OR = 14.96, P = 0.014)であった。また,OSではCLNM (HR = 5.154, P = 0.031) とPNI (HR = 5.623, P = 0.033)が,DFSではCLNM (HR = 3.359, P = 0.038)が各々の独立予後不良因子であった。 2) 一次治療として根治手術を施行した口腔癌患者64名を対象に,患者・疾患因子に加え,血液学的な栄養・免疫・炎症の指標としてCRP, Alb, CAR, TP, AGR, mGPS, PNI, T-chol, CONUT, mCONUT, BMI, 各血球数, NLR, PLR, LMRを説明変数としてOSとDFSの推定能を検討した。多変量解析の結果,OSではCAR (P = 0.002, HR = 8.926)とBMI (P = 0.00009, HR = 0.075),DFSではLMR (P = 0.014, HR = 6.527) が各々の独立予後因子であった。 3) 咽頭扁平上皮癌細胞に対する選択的Cox2およびEP2阻害は,幹細胞関連因子Oct3/4 および Nanogの発現,およびanchorage-independentな細胞増殖能を反映するsphere formationを抑制し,がん幹細胞特性の減弱効果が示された。
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