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2020 年度 実施状況報告書

新規ワクチン開発と誤嚥性肺炎予防に繋げる肺炎球菌ノイラミニダーゼAの役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K09878
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

金子 富美恵  和歌山県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (40328414)

研究分担者 河野 正充  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20511570)
須納瀬 弘  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50261631)
保富 宗城  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90336892)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード肺炎球菌 / ノイラミニダーゼA / 鼻腔保菌 / 誤嚥性肺炎 / 肺炎球菌ワクチン
研究実績の概要

嚥下機能低下に伴う誤嚥性肺炎に対する予防と再発・重症化回避のためには、重要な起因菌である肺炎球菌につき現在実用化されている莢膜多糖体ワクチン (PPV)・蛋白結合型ワクチン(PCV)の弱点を補う次世代の肺炎球菌ワクチンの開発が急がれている。我々は肺炎球菌に共通する酵素蛋白でシアル酸の切断にて粘膜 への菌定着をノイラミニダーゼA(neuraminidase A: NanA)に着目、高齢者かつ慢性閉塞性肺疾患(COPD)を有する患者の誤嚥性肺炎の発症・重症化への関与とNanA 阻害型ワクチンの予防効果を明らかにすることを目指す。
令和2年度の成果を報告する。肺炎球菌感染実験には血清型4型、6A型(TIGR4WT, 6AWT)と、それぞれの株より作成したNanA欠損株 (TIGR4ΔNanA, 6AΔNanA)を用いた。
1)平成31年度にTIGR4WTとTIGR4ΔNanAで行なった鼻腔での保菌と感染動態評価を、6AWTと6AΔNanAでも行った。すなわち、B細胞機能低下マウス (CBA/Nslc, 6週齢, 雌)に対し野生株あるいは欠損株を覚醒下経鼻接種、感染後1, 3, 5日後における血液、鼻 腔洗浄液、鼻腔・嗅球・大脳組織(破砕・懸濁液)における肺炎球菌数を測定した。結果、TIGR4では野生株に比し有意差を持って減少した鼻汁・鼻腔組織破砕懸濁液でのNanA欠損株の検出は6Aでは有意差が見られなかった。
2)TIGR4は全ゲノム解析がなされており、LPXTG領域を欠く分泌型NanAを持つことが既知である。6Aについては報告がなかったため、6AWTよりNanA領域をNGSにて解析したところ、LPETG領域を持つ膜アンカー型NanAであることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TIGR4型で行った手順と同様に、6AΔNanA株を用いた誤嚥性肺炎モデル実験を行なっている。方法としては若年マウス(CBA/Nslc , 6週齢, 雌)に深麻酔ののち経鼻的に肺炎球菌 (6AWT, 6AΔNanA)を過量接種、感染後1, 3, 5, 14日後における血液、肺胞洗浄液、肺組織(破砕・懸濁液)における肺炎球菌数を確認している。
また、新たな課題として、分泌型NanAが肺炎球菌の鼻腔粘膜への定着を促進する因子であると仮定し、前処置としてTIGR4WTの培養時に使用した液体培地の上清をマウス鼻腔に点鼻したのちにTIGR4ΔNanAを経鼻接種しTIGR4ΔNanAの培養上清をTIGR4WTの経鼻接種前に前処置した対照群との比較を行なっている。

今後の研究の推進方策

遺伝子組み換えNanA(recombinant NanA: rNanA)を用いた経鼻免疫実験を予定していたが、rNanAの生成・収集効率より十分量が得られるまで長期間を要するため、方策を検討中である。

次年度使用額が生じた理由

令和2年度より継続中である6AΔNanA株を用いた誤嚥性肺炎実験が令和3年度に持ち越されており、マウス購入、飼育費、物品費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マウス鼻腔での肺炎球菌定着におけるneuraminidase Aの影響2020

    • 著者名/発表者名
      金子 富美恵, 河野 正充, 須納瀬 弘, 保富 宗城
    • 学会等名
      第8回日本耳鼻咽喉科感染症・エアロゾル学会

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公開日: 2021-12-27  

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