研究課題/領域番号 |
19K09882
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研究機関 | 滋賀県立総合病院(臨床研究センター) |
研究代表者 |
扇田 秀章 滋賀県立総合病院(臨床研究センター), その他部局等, 専門研究員 (20761274)
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研究分担者 |
松本 昌宏 滋賀県立総合病院(臨床研究センター), その他部局等, 専門研究員 (80773811)
伊藤 壽一 京都大学, 医学研究科, 名誉教授 (90176339)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 導電性高分子 / 親水性 / 有機溶媒 / 持続電気刺激 / 蝸牛 |
研究実績の概要 |
白金電極を高分子導電体であるPEDOT-PSSにて被覆を行うこととしたが、耐水性が不良で、オートクレーブを行うと白金に塗布したPEDOT-PSSがはがれるという現象が見られた。そのため、高温で焼き付けを行うタイプのPEDOT-PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホナート))を使用したが、オートクレーブを行うと剥離が見られた。そのため、有機溶媒を機材とする高分子導電体である、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ビス-ポリ(エチレングリコール、ラウリル末端)を使用することとした。同化合物をスライドガラスに薄く塗布し1㎝離れた位置で電気抵抗を計測したところ、数Ω(5~10Ω)であり、導電性は良好であった。 電気刺激単独での、神経突起伸展の効果を見るため、有毛細胞を障害後に持続的に蝸牛内に電気刺激を行った。方法は、カナマイシン200㎎/㎏+フロセミド 100㎎/kgを経静脈的に投与を行って、有毛細胞に障害を与えた。蝸牛内ボール電極を留置し、持続的に直流電流を流し刺激を与えた。電源としてはリチウム一次電池(CR2354(容量560mAh))を2個並列に接続したものをシリコンで被覆を行い、モルモットの体内に留置した。途中に10kオームの抵抗を挟んで、電流量を200μA程度となるようにした。この条件であれば2800時間(約116日)の電気刺激が可能である。蝸牛内がプラス極もしくはマイナス極になるようにして直流電流で約3か月の刺激を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
導電高分子の耐久性の問題により、当初とは異なる材料を検討する必要が生じた。また、蝸牛の電気刺激の際には留置した電池が異物として排出される動物も存在し、実験のやり直しが必要となったため、予定よりも時間を要している状態である。また、研究者の異動や研究所の再編によりアクセスが不便となったことも研究が遅れる要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
白金電極を導電性高分子で被覆を行う研究では、有機溶媒を基材とする、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ビス-ポリ(エチレングリコール、ラウリル末端)を使用し、オートクレーブに対する耐久性を検討する。また、必要な耐久性が得られるようであれば、誘導神経幹細胞の培養を同電極を挿入した条件で行い、白金電極と生体親和性について比較を行う予定である。 蝸牛の持続電気刺激については、得られた蝸牛の組織評価を行い、神経突起の進展の有無や蝸牛内部での炎症の所見など、電気刺激が蝸牛に与える影響について検討を行う予定である。途中で、電池の脱出等で脱落した動物があるため、追加で、電流の持続刺激の実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
PEDOT-PSSの耐久性が不良である等、当初想定された結果と異なる結果が得られ、研究に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。令和6年度に追加実験を行うために使用予定である。
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