HPV感染により発症した中咽頭癌は喫煙、飲酒により発症した中咽頭癌とは臨床病態や分子生物学的特徴が大きく異なる。HPV関連中咽頭癌は非関連癌に比べて予後は良好であるが、一部のHPV関連中咽頭癌においては遠隔転移をきたし予後不良症例も存在する。HPV関連中咽頭癌は本邦のみならず世界的にも発症数は急増傾向にあり、発症や転移機構の解明が待たれるところである。本研究においてHPV関連中咽頭癌とSchlafen family member 11 (SLFN11)遺伝子との関係を明らかにすることができた意義は大きいと思われる。
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