GAZOU株式会社の協力で波長変更カメラを作成し表在癌検体の撮影を行ったが、検体の条件と撮影環境の調整が安定せずに収集した表在癌の画像データによる自動診断を目的としたデータベースの作成には至らなかった。そのため残念ながら今回の研究では自動スクリーニングシステムの作成へとつなげることができなかった。 今後撮影条件をさらに調整することで表在癌所見の安定したデータ得ることが必要と考えられた。 表在癌検診については新潟市医師会の協力を得て新潟市における頭頸部がん検診を行った。その研究では胃癌、食道癌と頭頸部癌の合併率が高いことから、胃癌、食道癌の既往を有する疾患を対象としてパイロットスタディを行い、その成果については医師会報に掲載した。頭頸部がん検診で問題となる唾液の貯留などによる所見の見落としなどを回避するために喉頭ファイバー検査の前にうがい、飲水を行う方法については検診を行う上で有効であることがわかった。また検診にかかる手間、時間についても検討でき、実際に検診を行う際の問題点も抽出できた。このパイロットスタディにより検査方法のブラッシュアップにより効率の良い頭頸部癌検診を導入、実践することは可能であると考えられた。 長岡技術科学大学および堀場製作所との共同研究でカソードルミネッセンス、フォトルミネッセンスによる癌組織、癌細胞の観察を行った。癌細胞に特有の励起光、自家蛍光について調査を行ったがコロナ感染症の流行を機に中断したまま終了となった。
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