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2020 年度 実施状況報告書

傷害声帯の修復過程における上皮間葉移行の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19K09888
研究機関金沢医科大学

研究代表者

北村 守正  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (60543262)

研究分担者 末廣 篤  京都大学, 医学研究科, 助教 (00738247)
楯谷 智子  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (10512311)
樋渡 直  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (10808778)
楯谷 一郎  藤田医科大学, 医学研究科, 教授 (20526363)
岸本 曜  京都大学, 医学研究科, 助教 (80700517)
菊地 正弘  京都大学, 医学研究科, 講師 (90443564)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード声帯 / 上皮間葉移行 / 線維芽細胞 / 創傷治癒
研究実績の概要

声帯瘢痕は現在においても有効な予防法・治療法が解明されていない臨床上の大きな課題である。近年、組織再生工学を用いた研究が行われているが、声帯組織の維持・修復機構について細胞・分子レベルでの研究は非常に限られている。上皮間葉転換は上皮細胞が間葉系様細胞に形態変化する現象であり、創傷治癒や肝硬変等での線維化への関与が知られているが、声帯組織での関与については不明である。本研究の目的は、上皮由来の細胞を恒久的にラベル出来るトランスジェニックマウスを用い、傷害声帯の修復過程における上皮間葉移行の役割を明らかにすることにある。
前年度、K5Cre系統とCAG-td Tomato系統を交配した遺伝子組み換えマウスを用い、内視鏡下に声帯を自作の機器を用いて損傷することにより、物理的損傷モデルを作製した。損傷後、粘膜固有層の細胞を免疫染色にて評価した(上皮マーカーであるE-cadherin染色と、間葉マーカーであるVimentin染色)。上皮間葉移行細胞を、1:粘膜固有層に存在すること、2:Tomato陽性の細胞であること、3:E-cadherin陰性であること、4:Vimentin陽性であること の4つの条件を全て満たすものと定義したところ、損傷14 日後の組織で5-6切片に1細胞の割合で上記4つの条件を満たす細胞を確認できた。
今年度も同様のモデルを作製し検討を行ったが、物理的損傷では上皮間葉移行を起こす細胞は総数が少なく評価が困難であった。目的細胞の検出力向上を目標として共焦点顕微鏡を用いた観察も行ったが、評価可能な細胞はごく少数であった。声帯では強い炎症を加えるとマウスの生存に関わるため付与する炎症の程度に限界があることが、他臓器において報告されている組織修復時のEMTに比べ誘導が少ない原因の一つと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予定していた通り、マウスを用い声帯の物理的損傷モデルを作製し、検討を重ねているが、EMTを起こしている細胞がごく少数であるため、分離培養に至っていない。

今後の研究の推進方策

分離培養が難しいようであれば、マウス声帯の器官培養系を確立し、これを使用しex vivoでのEMTの状態を確認することを検討している。器官培養系を使用することで、炎症惹起の程度に制限がなくなるため上皮間葉移行細胞の確認が容易になるのではないかと考えている

次年度使用額が生じた理由

今年度はコロナ禍で出張が減ったため、未使用の研究費が発生し、次年度に繰り越した。
次年度はこれまで同様実験材料の購入を行い、学会への出張、論文投稿に使用する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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