研究課題/領域番号 |
19K09890
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
端山 昌樹 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70756048)
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研究分担者 |
前田 陽平 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00636483)
津田 武 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00778631)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / 嗅上皮 / セマフォリン |
研究実績の概要 |
好酸球性副鼻腔炎(ECRS)では嗅裂にポリープが生じるため嗅覚障害が起きると考えられている。しかし実際にはポリープが多くても嗅覚障害が軽度であったり、ポリープが無くても嗅覚障害が重症である症例を経験する。そこで我々は嗅覚障害を生じるメカニズムが、好酸球性炎症と関連があるのではと考え、研究を行っている。その中でもセマフォリンファミリーに着目して研究を行っている。 セマフォリンファミリーのSEMA4Dが好酸球の膜状に発現しているが、PAF(Platelet activating factor)の刺激により、cleavageを受け、分泌される。分泌されたSEMA4Dは血管内皮細胞に働き、好酸球の組織内浸潤に寄与することを明らかにした。 また嗅上皮の分布する中鼻甲介について、ECRSとコントロール(非好酸球性副鼻腔炎)について網羅的に遺伝子発現を検討した。嗅上皮の分布する中鼻甲介について、ECRSとコントロール(非好酸球性副鼻腔炎)について網羅的に遺伝子発現を検討した。その結果、BMP(bone morphogenetic protein)ファミリーの一つが発現増強をしていることを見出した。その他、複数の遺伝子発現が増強していたため、それぞれについて、PCRでの遺伝子発現、免疫組織化学での蛋白レベルでの発現について確認中である。その後、細胞を持ちいた実験にて機能解析を行う予定になっている。 またその他、ECRSにおける嗅上皮と篩骨洞に発生するポリープに存在する血球をフローサイトメトリーにて分離し、嗅上皮特異的なあるいは嗅上皮に優位な細胞浸潤を探索した。これについても、機能解析を進めている。 他にはコロナ禍で実験が中断した時期もあったが、その際に副鼻腔炎手術患者の後向き検討などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため手術症例が少なくなり、また手術を行ってもサンプリングすること自体がリスクとなるため、サンプル数が減少し、実験が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの再燃のたびに手術が制限されることと患者の受診控えのため、思うように手術サンプルが集まっておらず、今後の手術を無駄なくサンプリングし、研究に生かしたい。また引き続き、嗅上皮に特異的あるいは有意な発現をする遺伝子の機能解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍であり、手術数の抑制また患者さんの受診控えがあり、思うようにサンプリングが進まなかったため、今年度分を来年に使用する。
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