研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鼻副鼻腔内反性乳頭腫(IP)は良性腫瘍であるが,1.正確な術前診断が困難,2.易再発性(手術切除による再発率:10%),3.悪性転化(同時性+異時性:10%)の3つの問題点がある。IPの術前診断は病理検査だが,炎症の合併から術前病理診断率は約50%と低く,悪性病変の合併は見逃されることが多い。治療は内視鏡下切除になるが不十分な場合に再発率は上昇する。術後病理での悪性病変の合併(同時性),経過観察中の悪性化(異時性)は10%に発生し患者生命に関わる。また術後の創部瘢痕は再発病変の早期発見を困難にさせる。本研究でSCCA1、2値の測定がIPの術前診断を強化できると示唆されたことは重要である。
|