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2020 年度 実施状況報告書

蝸牛外側壁組織培養と生細胞蛍光イメージングを用いた難聴予防・治療戦略の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K09898
研究機関杏林大学

研究代表者

増田 正次  杏林大学, 医学部, 准教授 (20317225)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード中間細胞 / 血管条 / 外側壁 / 蝸牛 / 難聴 / 生細胞イメージング / 蛍光イメージング / 蝸牛ストレス
研究実績の概要

研究の目的は、研究開始当初以来変わっていない。本研究は蝸牛外側壁を分子生物学的に分析することで、難聴の予防と治療方法の確立を最終目標とするものである。特に、聴覚受容細胞のいる蝸牛への経年ストレス負荷と難聴発症との関連を中心に研究を行なっている。
前年の実施状況報告書で書いた通り、複数年にわたり、間断なく中耳に圧変化が加わり、それが内耳窓(中耳と内耳が接している部分で、可動性の薄い膜が仕切りとなっている)を経由し蝸牛に伝わることで、蝸牛が障害される可能性について論文化した。このような、生涯にわたる内耳ストレスに起因する蝸牛障害、つまりは難聴をいかに予防するかが本研究の目的であり、そのような現象が実際に起きていることを社会に提起できた。
前年の実施状況報告書作成時点から取り組んでいる、一部の検体にのみ生じる蝸牛中間細胞の増殖様現象については、その機序、増殖様現象が起きる検体の共通点いずれも解明できていない。栄養因子、抗酸化物、抗炎症物質添加の有無に限らずこの現象が生じているようであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19流行下において、複数人で集まって作業できる機会が激減した。必要物資の入手にも時間がかかり、実験のペースが低下した。

今後の研究の推進方策

本研究に使用している動物の特徴は、蝸牛外側壁を採取した場合、中間細胞だけがYFPを発現していることである。そこで、YFP陽性細胞をソーティングし、YFP陽性細胞とその他の細胞とで発現遺伝子にどのような差があるかを分析できるか試行することを考えている。当施設の設備としては遂行可能である。この分析が可能であることを確認できたら、増殖傾向を示した検体とそうでない検体との間で発現遺伝子にどのような差があるか分析することを考えている。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19流行に伴い、ヒト、モノともに流れが滞り2020年度に実験のペースが落ちたことが大きな原因の一つである。また、ソーティング、遺伝子発現分析を行うことを考え始めたので、2020年度末に近づくにつれ他の操作に費やす経費の消費を絞った。ほとんどの学会で学会の中止や現地へ行くことがなくなったため、旅費の計上していた費用がかからなくなった。
細胞ソーティングと遺伝子発現解析に費用を要す予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Risk of Sensorineural Hearing Loss in Patulous Eustachian Tube2021

    • 著者名/発表者名
      Masuda Masatsugu、Morita Masahiro、Matsuda Takehiro、Nakamura Takehiro、Matsumoto Jobu、Miyama Yoshiko、Kasakura-Kimura Natsuko、Kohno Naoyuki、Saito Koichiro
    • 雑誌名

      Otology & Neurotology

      巻: 42 ページ: e521~e529

    • 査読あり
  • [備考] 杏林大学医学部 教室紹介 耳鼻咽喉科学教室

    • URL

      http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/faculty/medicine/education/labo/otolaryngology/

  • [備考] 杏林大学 医学研究科 研究室・研究グループ紹介

    • URL

      http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/graduate/medicine/education/departments/otolaryngology/

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公開日: 2021-12-27  

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