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2020 年度 実施状況報告書

遺伝性難聴における前庭機能の網羅的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K09905
研究機関信州大学

研究代表者

塚田 景大  信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (90419375)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード遺伝性難聴 / 半規管機能 / 卵形嚢機能 / 球形嚢機能
研究実績の概要

2020年度は、日本人の遺伝性難聴の原因遺伝子として最も頻度が高いとされるGJB2遺伝子変異症例、2番目に多いSLC26A4遺伝子変異症例および3番目に頻度が高いCDH23遺伝子の変異をもつ非症候群性難聴症例の平衡機能の特徴について比較検討を行った。
めまいの有無についてその頻度について検討を行い、平衡機能検査については、温度刺激検査、前庭誘発筋電位検査(cervical Vestibular Myogenic Potential; cVEMP, およびocular VEMP; oVEMP)を用いてそれぞれ末梢前庭器の半規管機能、球形嚢機能、卵形嚢機能について評価および検討を行った。
各遺伝の平衡機能の特徴としては、SLC26A4遺伝子変異症例でめまいを訴える頻度が高く、GJB2変異症例やCDH23遺伝子変異を持つ非症候群性難聴症例ではまれであった。
GJB2遺伝子変異を持つ症例は球形嚢機能障害を来す頻度が高く60%程度の症例が機能障害を来していた。SLC26A4遺伝子変異症例は他の遺伝子と比較し半規管および卵形嚢機能障害を来す頻度が高い傾向を示した。ナンセンス変異およびフレームシフト変異によるCDH23遺伝子変異はUsher症候群という網膜色素変性症と難聴および平衡機能障害を来すことが知られている。今回は、ミスセンス変異による非症候群性難聴症例について検討を行ったが、他の遺伝子変異と比較し平衡機能障害を来す頻度は低かった。
各遺伝子によって障害されやすい部位があることが明らかとなり、また、同じ遺伝子でも変異の種類によっても平衡機能障害を起こすものと起こさないものがあることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在、遺伝性難聴に対する前庭機能評価にたいするデータ収集は順調に進んでおり、現在データの解析を行っている。

今後の研究の推進方策

最終年度は、集積したデータをより詳しく解析し各遺伝子の平衡機能の特徴をより明確にする方針である。

次年度使用額が生じた理由

2020年度に国内および国際学会で得られた結果について発表する予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行により国内・海外への移動および発表することが困難であったため未使用分が生じた。本年度は国内外への学会への参加発表(オンラインを含め)を予定しており未使用額はその経費に充てることとしたい。また、いままでの研究成果について論文作成を行うためそのための経費にも未使用分を充てることを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Detailed MR imaging assessment of endolymphatic hydrops in patients with SLC26A4 mutations.2020

    • 著者名/発表者名
      Tsukada Keita、Usami Shin-ichi
    • 雑誌名

      Auris Nasus Larynx

      巻: 47 ページ: 958~964

    • DOI

      10.1016/j.anl.2020.05.018

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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