日本人の遺伝性難聴の原因遺伝子として頻度が高いとされるGJB2遺伝子変異症例、SLC26A4遺伝子変異症例、CDH23遺伝子変異(非症候群性)症例のめまいの頻度および平衡機能の特徴について比較検討を行った。GJB2遺伝子変異症例では球形嚢機能低下を来す頻度が高く、SLC26A4遺伝子変異症例は他の遺伝子と比較しめまい症状の頻度が多く、半規管機能低下を来す頻度が高い傾向を示した。CDH23遺伝子変異に関しては、平衡機能障害を来すが、軽度になる傾向が示唆された。これらの結果から遺伝子変異を持つ難聴患者においては難聴という表現型以外にも何らかの平衡機能障害が出現することが明らかになった。
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