研究課題/領域番号 |
19K09912
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
村上 大輔 九州大学, 大学病院, 講師 (80568965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 経口免疫療法 / スギ花粉症 / マウスモデル / マンノースレセプター |
研究実績の概要 |
本年度は当研究室で確立したスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を用いた経口免疫療法マウスモデルを用いた動物実験を予定していたが2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行のため研究機関を使用できない期間が断続的に続き長期間のプロトコールで行う動物実験を行うことが困難であった。そのため短期間で実験可能な動物実験としてアナフィラキシーショックモデルの作成を行った。 マウスは6-8週齢メスのBALB/cを用い、2週間ごとにOVA10μg/alum1mgを2回腹腔内投与し、抗原感作を行った後に最終投与より2週間後にOVAの腹腔内にOVA200μgまたは500μg投与を行い、その後2時間直腸温の観察を行った。実験結果としてOVA10μg/alum1mgを2回投与し、その後1週間後の血清でOVAに対する抗IgE抗体、抗IgG1抗体、抗IgG2a抗体の上昇が認められ、また最終投与後、30分から50分でいずれも4~5℃の直腸温の低下を認め、120分程度で徐々に直腸温の回復が認められた。 以上の結果よりOVAの系ではあるがマウスを用いたアナフィラキシーショックモデルの系を確立した。今後の実験として、同様の系を用いてスギ抗原でのアナフィラキシーショックモデルの確立とスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を用いてアナフィラキシーショックが抑制されるか確認を行う予定である。またスギ抗原またはスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を腹腔内に複数回投与することでスギ抗原と比較してスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体投与において抗原特異的IgEが抑制されるか検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行のため研究機関を使用できない期間が断続的に続いている。状況は徐々に改善してきているが次年度も新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いておらず流行の状況によっては施設内の実験が制約される可能性もあり、今後も研究の遅れが予想される。 研究は2018年度から2021年度の3年間であったが2022年度まで研究期間の延長を行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はスギ抗原でのアナフィラキシーショックモデルの確立を行い、スギ抗原またはスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を腹腔内することによりその免疫反応性を評価すること、また前々年度の結果から経口免疫療法マウスモデルにおいてコントロール群と比較して免疫療法群で腸間膜リンパ節ではCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の増加は認められなかったため、他の臓器、脾臓や鼻粘膜でのCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の変化とその機能解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行のため研究機関(動物実験施設)を使用できない期間が断続的に続き長期間のプロトコールで行う動物実験を行うことが困難であった。そのため研究期間を1年間延長し、2022年度に予定していた動物実験を行う予定である。
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