甲状腺癌は近年、その数が世界的に増加している疾患であり、再発・転移を来す悪性度の高い甲状腺癌を術前に推定できる新たな分子マーカーの発見が望まれる。本研究において我々は少ないDNAサンプルからも高精度に変異を検出できるddPCR法を用いることで、術前細胞診検体からTERT-p変異を検出できる方法を確立し、この変異が術前細胞診における分子マーカーとして有用であることを明らかにした。また、TERT mRNA発現も甲状腺癌の新たな分子マーカーとして有用であることを明らかにし、予後予測マーカーとして高齢者ではTERT-p変異、若年者ではTERT発現が有用であることを報告した。
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