耳管の「閉鎖」と「開放」の均衡は中耳に炎症を生じ、難聴をきたす。これには耳管粘膜および周囲構造の質的変化が大きく関与している。本研究では、脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いて耳管構造の改変により耳管障害の制御を模索した研究である。動物実験として、耳管障害モデルラットを用いた。ラット耳管周囲構造は微細であり、耳管咽頭口は鼻咽頭腔の深部にあり、口腔内から直視できなかったが、細径内視鏡下に観察することができた。耳管粘膜下への注入法は特殊に加工した31G針を作製した。臨床面からは耳管構造の改変をシリコンを用いた耳管腔の狭窄についてその効果を検証し、有効率は76.1%であった。
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