研究課題/領域番号 |
19K09917
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
松根 彰志 日本医科大学, 医学部, 教授 (00253899)
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研究分担者 |
大橋 隆治 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00328783)
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
大久保 公裕 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (10213654)
若林 あや子 日本医科大学, 医学部, 講師 (30328851)
若山 望 日本医科大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (90813238)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 好酸球性副鼻腔炎 / type 2炎症 / 病態 / 腸内フローラ / カンジダ |
研究実績の概要 |
目的;当科や他施設のこれまでの研究成果をもとに、腸内フローラにおけるカンジダの増殖が、好酸球性副鼻腔炎(ECRS)の非好酸球性副鼻腔炎(NECRS)と比較しての特徴と考えた。この仮説を検証することを目的とした。 方法;鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔の当科手術症例を対象として、入院時に前日または当日に採取した検便スワブを提出していただいた。JESRECスコアに基づいてECRS20例、NECRS15例との間で便スワブのカンジダ検出率について比較検討した。カンジダ選択的培地CHROM CANDIDA Ⅱを用いて検討した。 結果;便スワブ中のカンジダ陽性について、ECRSでは20例中12例で陽性、NECRSでは、15例中3例で陽性であった。有意にECRSで陽性率が高かった。(カイ2乗検定、p=0.037) ECRSでは、便スワブ陽性で皮内テスト・カンジダ遅延型反応が陽性が7例中6例、便スワブ陰性では同皮内反応陽性6例中1例であった。便スワブでのカンジダ陽性例では、有意に同皮内反応の陽性率が高かった。(カイ2乗検定、p=0.029)血清中のβdグルカン陽性率は、ECRSとNECRSで有意差は認めなかった。篩骨洞粘膜の病理、菌検査ではECRS,NECRSの両群でカンジダを含め真菌は陰性であった。 考察 結論;当科ではECRSではNECRSと比較して、カンジダの遅延型皮内反応陽性率が有意に高い。アスペルギルスやアルテルナリアについてはこうした結果は得られないとの報告を既に行っている。採血や粘膜局所では、真菌関連の有意な結果は得られなかった。便スワブのカンジダ陽性率で興味深い結果が得られ、腸内フローラにおけるカンジダの増加が、ECRSの病態に関与している可能性がある。ECRSの診断と予防、治療の新しい方法論を構築する手がかりとなる可能性がある。
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