研究課題
本研究は予後不良頭頸部扁平上皮癌の時間的・空間的な腫瘍内不均一性を解明することを目的としている。標準治療367例から抽出した局所頸部再発症63例の初回腫瘍及び再発腫瘍126検体のTP53、PIK3CA、AKT、HRASの変異ステータスを次世代シークエンサーにて時系列に解析した。TP53に関しては、フルカバレッジのディープシーケンスを施行した。再発した腫瘍のうち、22%でTP53に新たな変異が蓄積し、16%が元の変異を失っていた。TP53変異の蓄積は、口腔癌では咽頭癌や喉頭癌に比べて有意に高かった(33%vs7%、p = 0.016)。PIK3AC、AKT、HRASは全例で初回変異を失っていた。再発後の2年間の生存率は、再発時のTP53ステータスと関連していたが、初期腫瘍のTP53ステータスとは関連していなかった。再発腫瘍のTP53ステータスは、多変量解析において独立した危険因子であった(ハザード比、5.76;95%CI、1.86-17.8;p=0.0023)。以上より、再発頭頚部扁平上皮癌の約3分の1は、初期腫瘍と異なるTP53ステータスであった。変異の蓄積は、原発部位によって異なっていた。再発腫瘍のTP53ステータスを詳細に解析することで、再発後の予後予測に有用であった。
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